4.07.2023

[film] Dungeons & Dradons: Honor Among Theives (2023)

4月1日、土曜日の晩、109シネマズ二子玉川のIMAXレーザーで見ました。
邦題は『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』 - アウトローっていうよりただのろくでなしども、よね。

元になっているらしいロールプレイングゲームはやったことないしやることもないだろうし、知らない。たぶんNintendoもPlayStationも一生触らないでしぬんだろうな。

監督のJonathan GoldsteinとJohn Francis Daleyは“Spider-Man: Homecoming” (2017)とか“Game Night” (2018)を作ってきた人たちなので、その辺から惹かれた。

騎士団のハーパーズにいたEdgin (Chris Pine)は極道のレッド・ウィザードに妻を殺されてから娘のKira (Chloe Coleman)とふたりになって、友達で力持ちのHolga (Michelle Rodriguez)と詐欺師のForge (Hugh Grant)と彼が連れてきた謎めいた赤いSofina (Daisy Head)と三文魔術師のSimon (Justice Smith)と一緒に窃盗団を組織して、ハーパーズの本拠地に乗り込んで妻を蘇らせるためのタブレットを盗もうとしたところ、そこで嵌められて、EdginとHolgaは牢獄に入れられてしまう。

2年が経って恩赦の審査をするタイミングが来たところでふたりはズルしてどうにか牢獄から抜け出してみるとForgeは領主さまに出世していて、彼の側にいたKiraは父と目を合わせてくれなくて、背後には邪悪な魔法使いのSofinaがいてどうしようもないので、改めてForgeの金庫に入ってタブレットを盗んでKiraを取り戻してふつうの父娘に戻るんだ、って仲間と道具とかお宝を集めていくことにする。

こうしてもう一回Simonを呼んで、Simonはどんなものにも変身できるDoric (Sophia Lillis)を仲間に加えて、あとは常につまんない正論しか吐かない騎士のXenk (Regé-Jean Page)とかも加わって、討ち入りに必要な刀とか兜とか杖とかを集めるために墓を掘って死者を呼んだりすり抜けたり忍びこんだりの冒険があって、最後にはそれらぜんぶを総動員して闘技場のようなところでの危機一髪まみれの大勝負になるの。

ファンタジー・ゲームの世界なのでなんでもありの無法地帯かと思っていると、これまでのゲームのファンにも配慮したキャラクターや物語構成にもなっているらしいことがネット等での受け方を見ているとわかって、でもゲームだのその起源だのストーリーラインだの決まり事だの、そんなの知るか、みたいな人たちにも楽しめるものになっている気がした。ただそのやり方は、キャラクターや物語の幹を太くしたり深化させたり、というよりは可能な限りいろんなネタみたいな要素をナンセンスも含めてぶっこんで、キャラクターや道具を戯画化して「なんだそれ」って突っこみやすくするとか – でも取りこぼしないように目配りはしているから – その程度のもので、小手先の気はするもののおもしろいからいいかー、のような気がする。

なので、真ん中にいるEdginはべらべら空疎な言葉をくりだすだけ(たまにリュートを弾く)のヴェンチャーの起業家みたいな胡散臭さ満載 – “Don't Worry Darling” (2022)でChris Pineがやった役そのまま - で、彼と空っぽな根拠なし正論おしゃべり野郎であるXenkがぶつかり、更にこの手のべらべら詐欺師役がいつでもどこでも見事にはまるForge - Hugh Grantが絡まるので、男どもがロクな働きをしない反対側で、パワーと身体でぶつかっていくMichelle RodriguezのHolga(別れた夫がBradley Cooper..)とDoricが変態するOwlbear(ほしい..)といった女性たちの働きがすばらしい、というか男たち、べつにいらないんじゃないか? くらいに彼女らは強い。Kiraは戻ってきたパパじゃなくて、HolgaとDoricのふたりのほうに惹かれたのだと思う。そして、登場人物間の恋愛関係のようなのが一切出てこないのは画期的。

よって、アニメの実写化の時によく起こる、あのキャラをあの俳優が(嘆).. の傲慢な議論は、今作ではおちゃらけ/すっとぼけ路線に徹することでうまく回避できているように思えたのだが、世の勇者たちはそれでいいのか。これって結局、眉間に皺で見得をきって血を吐いたり腹切ったりして鬱陶しくてしょうもなかった時代劇のオトコ共(”RRR”もおもしろいけどそれでもまだ臭)を無化するようなところがよいと思った。“Pokémon: Detective Pikachu” (2019)の彼とか、“Bridgerton” (2020)の彼とか、いかにもー。

あと、唯一でてくる(あれ一匹よね?)太っちょドラゴンがたまんなかった。あれができるなら”How to Train Your Dragon”の実写もできないかなー … やめたほうがよいかなー。

最後に流れてくる80’sのばったもんみたいなこの曲はなに? と思ったらTame Impalaだった。更に続いてひどい音質の曲がながれて、日本語で歌っているらしいのが聞き取れたが、日本語版テーマ曲とかくそくだんないやつ、まだやってるのね。

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