2.15.2020

[music] Pop Crimes: The Songs of Rowland S Howard

12日の晩、Royal Festival Hallで見ました。今年最初のライブ。 最初にライブの告知を見たときは、なんとまあ地味な.. でもあんなでっかいホールが会場でお客入るのかしら? って思って、実際に告知が何回も来たので、売れていないんだろうなー、じゃあ行ってみるか、と行ってみたらほぼ一杯になっていた。

このライブは2009年に50歳で亡くなったRowland S Howardが昨年秋に60歳になったのと彼のソロが再発されたのを記念して、メルボルン~パリ〜ロンドンと回っている。でも一番最初にやったのは2011年のメルボルンで、2013年のATP (なつかし)でもやっているのだそう。

Rowland S Howardは主なバンドだとThe Birthday Party - Crime & the City Solution - These Immortal Souls - Nikki Sudden and the Jacobites (!) などなどを経てきて、今回のライブでもこれまでのバンドの人たち - Mick Harvey, J.P. Shilo, Harry Howard, Genevieve McGuckinなんかが固めている。

自分にとっての彼というとCrime & the City Solutionのひとで、でもライブは見ていない。

客層は見てすぐわかる同年代の、若い頃から今までずっと後ろ向きで萎びたままでやってきた - ねえねえブリットの頃ってみんなどこでなにやってたの? - って問い詰めたくなる枯れた老年層がいっぱい。こんなに居心地よくて異邦感がなくていいのかしら、くらい。

基本のバンドは4~5ピースで、この音がまたすばらしく馴染む。アッパーだったりキャッチーだったりする箇所なんて微塵もなく、重心も目線もひたすら地表を這ってがしゃがしゃがりがり引っ掻いて瘡蓋を作っては剥がしてを繰り返しているだけの、救いようのないルーザーの音なのだが、いまの自分を作ったのは間違いなくこういう音の毛布というかブランケットというかの団子の寝床で、だからいまだに芯から腐っててしょうもないんだな…  はは(脱力)、って。 音に突きあげられたり、音にダイブしたりする必要のまったくないずるずる万年床なの。

でも当時って、The Birthday Partyなんて野蛮人だわ、とか結構酷いこと言ってあまり聴いてなくて、でも最近になって彼らの音を聴くとすごくよかったりする。若いころってやっぱしバカだったんだな … と思うことにしている。

ちょこちょこいろんなゲストが出るのだが、有名なところだとLydia Lunchが出てきて、そこにBobby Gillespieが加わってデュエットして、Bobbyは第二部にも出てきて盛りあげ役をやっていた。Lydia Lunch、元気そうでよかった。最後に彼女を見たのはKnitting Factoryで、横のギターはNels Clineで、最後にJames Chanceが出てきたなー、とか。

真ん中に20分くらいの休憩があって、第二部の頭でNick Cave氏がひとりすたすた出てきたのでびっくりする。そりゃこの方がいらしたっておかしくはないけどさ、告知にはなかったし。Rowlandがどんなにいい奴だったか、どれだけ素敵な思い出を共有しているかを語って、彼はこの曲を16歳の時に書いたんだよ、ってピアノに座って”Shivers” (1979) – The Birthday Partyの前身バンド - The Boys Next Doorの曲なの - を自分の曲のように滑らかに歌って去る。

J.P. ShiloのギターとGenevieve McGuckinの鍵盤がとにかく気持ちよくて、こんな形で自分の音を継いで貰えるのって幸せかも、って少し思った。みんなRowlandへの愛と想いを語り、それらも込みでステージ上に呼びこもうとしていて、で、彼はぜったいあそこに天使になって立っていたの。

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