7.25.2019

[film] Enamorada (1946)

仕事でモスクワに行ってて、さっき戻ってきた。
今日のごご、2003年夏に記録された英国の最高気温が更新されて、その近辺に4日間放置されていた部屋(冷房なし- 窓は少し開けておいた)はぼうぼうに燃えあがっていて、窓辺で蜂とか亡くなられていて、こういうところで、暑さでひとは死ぬのか、と思った。

BFIのメキシコ映画の黄金時代特集で見たやつを3本まとめて。

Enamorada (1946)


14日、日曜日の午後に見ました。日本公開はされていない?

監督はこないだ見た”Víctimas del pecado” (1951)  - “Victims of Sin”を監督したEmilio Fernández。この人は、”The Wild Bunch” (1969)とかの俳優としての方が有名かもしれないが、初期は監督として映画をいっぱい作っていて、彼の父はメキシコ革命時の将軍で、彼自身も十代の頃、革命に参加していたという、この作品にはその辺の事情や経歴が反映されているみたい。あと、シェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』とか。 すごくおもしろかった。

革命軍が勇ましく突撃していくところが冒頭で、町に侵攻した革命軍の将軍のJosé Juan Reyes (Pedro Armendáriz)はそこの金持ちを全員ひったてい!って命じて連れて来られた中にはBeatriz Peñafiel (María Félix)のパパもいた。そういうのが腹立たしくてしょうがないBeatrizは気安く声を掛けてきたJoséを強烈ビンタで馬から叩き落として、それでJoséはBeatrizにひとめぼれして追ってくるのだが(よくわかんないけど)、Beatritzは彼を花火屋で返り討ちひだるまにして、これでJoséの恋の炎が燃えあがって(よくわかんないけど)、でもどうしてよいかわからないし彼には革命もあるし幼馴染でBeatritzの家に出入りしている神父(Fernando Fernández)とかに相談してみるのだが、恋の病と革命の使命の間で揺れてぐらぐらで、Beatrizには既に婚約者がいるし、革命軍への包囲網ができはじめているし、男の十字路に立たされてどうするJosé? なの。

Martin Scorseseのお気に入りの1本で、2018年のカンヌでこれのリストア版がお披露目された際には彼がスピーチをしたのだそう。なんかわかるかも。

Dos monjes (1934) 

10日、水曜日の晩に見ました。 英語題は“Two Monks”。これも日本公開はないの?..

30年代のメキシコのゴス・ホラーフィルムと聞いて絶対おもしろそうだ、って。

男子ばかりの修道院で悪魔祓いの儀式が行われていて、祓われているのはJavier(Carlos Villatoro)だったのだが、ある僧が聴聞に現れるとおまえJuanだな! って彼は逆上して取り乱して、落ち着くとなんでそういうことをしたのかについて過去を語り始める。 

Javierは母と暮らす才能溢れる作曲家で、通りの向かいに暮らすAna (Magda Heller)を見初めて、やがて一緒に暮らすようになるのだが、Javierの旧友のJuan (Victor Urruchúa)が現れると少し事情が変わってきて、JuanとAnaは過去になにかあったらしく、JavierとAnaの結婚式の直前にAnaは殺されてしまう。

これがJavierが修道院に流れてきて悪魔祓いされる原因だったのだが、そこに現れたJuanが語った過去とは…
修道院の陰影たっぷりの描写とか老修道僧の顔立ちとかは宗教画ゴスしててかっこいいのだが、ストーリー展開も結末も特にゴスみもホラーみもなくて、そこがなー。

La mujer del puerto (1934)

16日、火曜日の晩に見ました。 英語題は“The Woman of the Port”。

Rosario (Andrea Palma)が原っぱで恋人といちゃついているのが冒頭で、彼女は彼に父親に会いにきてほしい、というのだが彼は適当にお茶を濁して、彼女が家に帰ると父親は病弱で死にそうで、薬を買いに娘が留守にしたところで彼に発作が起こって、助けを求めて階上の家に行くとさっき彼女と会っていた男が別の女と寝ていて、彼は父親を階段から蹴落して殺してしまう。

戻ってきた彼女は泣き崩れて、身寄りも家も失ってしまったので、港の酒場に身を寄せて。
で、ある日ギターを抱えた陽気な船乗りが酒場に現れて仲良くなっていろいろ話していくと、そいつは幼い頃に生き別れた弟で、それを知った彼女は翌朝…

最初のシーン以外はどこまでも救いようなく落ちていくお話しで冗長なシーンもいっぱいあるし、うぅー、なのだがRosarioを演じたAndrea Palmaさんの佇まいはMarlene Dietrichとしか言いようがないかっこよさで、映画はヒットして彼女はメキシコの大女優になったんだって。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。