4.30.2019

[film] Wild Rose (2018)

26日金曜日の晩、Picturehouse Centralで見ました。
ロビーは“Avengers: Endgame“を見にきた人々で楽しそうにごった返していたが、いいもん。

Rose-Lynn Harlan (Jessie Buckley)が身支度をして牢屋を後にするところがオープニングで、Dolly Partonになったるわおらーとかみんなに威勢よく啖呵をきってそこを出ていくものの、実家に着いてみると母のMarion (Julie Walters)は冷たくて、子供たちふたり - 姉と弟も喜んでなくてぎこちなくてあーあ、になる。

グラスゴーに住む彼女の夢はカントリーシンガーとして米国ナッシュビルの総本山 - The Grand Ole Opryのステージに立つことなのだが、そう簡単にいくわけないからグラスゴーにあるライブハウスのGrand Ole Opry で歌うくらい。当面の間、足にはセンサー付けられていて夜間の外出はできないのだが歌うのが好きなのでいろいろ諦められない。

昼のバイトで掃除婦に入っている屋敷のSusannah (Sophie Okonedo)に歌を聴かせたら感動してBBCのDJに会わせてくれたり、ナッシュビル行きのチケット代を賄うためのパーティを企画してくれたりするのだが、なにをやっても肝心なとこでずっこけて空回りして、他方でずっと置いておかれた子供たちはどうするのあんたそれでいいの? になっていくの。

3月に見た家族コメディー“Fighting with My Family“ (2019)のように英国の田舎で夢を見る若者(あの映画はプロレスだった)が本場の米国に出て行って苦闘しながらなんかを成し遂げる、あれは実話ベースだったけどこれはフィクションで、フィクションだから好き勝手に痛快にやっちゃうかというと、そうはならずに歌も家族も大好きだし大切だからさ、みたいなところに落ちついて、これって典型的な英国の家族ドラマの作法なのだが、これはこれでいいか、って思った。

まずはとにかくRose-Lynn = Jessie Buckleyがところどころで気持ちよさそうに声を張りあげるカントリーの名曲に浸って、それと彼女の堂々とした面構えを見ていればそれでいい、そういう映画で、あんなふうに歌えたらいいだろうなー、くらいにのびのびと気持ちよさそうに歌う。いまサントラ盤もいっぱい宣伝しているけど、売れることでしょう。

周囲の連中が「“Country-Western“の」っていうと「“Country“だから」っていちいち訂正したり(そうなのね)、腕に“Three Chords and The Truth“ってタトゥーしてて、カントリーも3コードなんだー、とか、勉強になるところもいろいろ。ロックでもR&Bでもなく、なんでカントリーなのか? は聞かなくてもいい、彼女の歌声聴いたらすぐに納得するよ。

あと、Julie Waltersさんがいつもながらすごくよくて、“Film Stars Don't Die in Liverpool” (2017)でも、“Paddington“のシリーズでも、家族ドラマで扉の奥から顔をだすのが彼女だとなんかほっとする。すっかり英国のお母さん、になっているねえ。

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