4.26.2019

[film] Pet Sematary (2019)

23日、連休明けの火曜日の晩、Leicester Squareのシネコンで見ました。
(映画を見てちゃんと怖がりたいひとはこの先読まないほうがよいかもしれませぬ)

1989年版のは昨年のBFIのStephen King特集で見て、ああこんな怖いの二度とやだと思ったし、いまはJordan Peeleの”Us”も見たほうがよさそうなのだが、短期間に2本もみたら許容量超えてしんじゃうかもと思ったし、でもBFIのおねえさんが「映画は好きじゃなかったけど猫が神だった」とか呟いているのを見て行くことにした。

医師のLouis Creed (Jason Clarke)の一家 - 妻のRachel (Amy Seimetz)、娘のEllie、まだ小さい男の子Gage、猫のChurch (♂) – がメイン州Ludlowの道路沿いの一軒家に越してきて、道路をまたいだ奥の森にはペットの墓地があるらしく仮装のでんでん太鼓しながら埋葬する列を見たり、隣家のJud (John Lithgow)がちょっと不気味だったり、気になることはいろいろあるのだが暮らしはじめる。

ある日Judが暗い顔でLouisのところに来て車に轢かれたのか道端で死んでいるChurchの亡骸を見せ、Louisは子供たちが悲しむので生き返ってほしいな、というとJudはそんなに言うなら、とLouisをペット墓地の奥の場所に連れていって、そこにChurchを埋葬する。 そしたら翌日に血の毛玉まみれでやや機嫌のよろしくないChurchが現れて…    そこから先はいいよね。

ペット墓地がある呪われた土地と、そこから蘇った化け猫・亡霊が巻き起こす恐怖とパニックが中心にあるシンプルな作りだった89年版と比べると、Louisは病院で事故でぐさぐさになって亡くなった黒人少年のことが頭から離れなかったり、Rachelは病気だった姉の死に関わる記憶に苦しめられていたり、周辺のエピソードをみんなより強く内部に抱えこんでいて、そういうところでChurchが事故にあって余りに不吉だから越しましょうよ、と言っていると今度はElleが.. (89年版ではGageが事故にあったが今作ではElleなの)。

今回のは土地に纏わる過去の話はなくて、登場人物たちの過去のトラウマが束になってより強い絆を求めてこっちにおいでよ、って全方位から囲って引きずり込みにくる。蘇ってただそこにいる恐怖、というよりは強引に向こう側に連れていかれてしまう恐怖。 なので、枠組みとしてはゾンビ映画のそれに近いかも。 ゾンビがどこからともなくゆらーって現れるのに対し、こっちのはずっと一緒にいて愛していた家族 – 生き返ったやつは別ものなのにね - という厄介さがいっぱい、どっちにしても近寄りたくはないか。

家族をはなればなれにしないで一緒にさせて、という強い思いが中心にあるとするならば、これはひょっとして特殊なかたちの幸せに向かっていくお話なのではないか、と途中から変な”?”が浮かんでしまい、では自分はいったいなにを怖がっているのだろうか、と基本的なところに立ち返って見ることができたのはよかったのかもしれないが、でも、あれじゃAdams Familyだよね、だし、確かにこれならSequelにもできるかもね、とか。

Jason ClarkeもJohn Lithgowもちょっと狂ったホラー向け(になりやすい)の顔なので憑りつかれてておっかないよう、感はたっぷり出ていてよかったかも。 でもひたすら不機嫌で堂々としていたChurchにはかなわないかも。威嚇されて引っ掻かれて泣いてみたい。

音楽はエンディングで89年版とおなじくRamonesの”Pet Sematary”が流れるのだが、この中学生のコピーバンドみたいな音はなに? と思ったらStarcrawlerだった。これはこれでまた。

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