5.30.2016

[film] Zootopia (2016)

5月1日の晩、日本橋でみました。 GWぽいかんじをすこしだけ。

元気いっぱいのウサギの女の子Judyが警官になりたい、って田舎から都会に出てきて警察学校での特訓を経てようやく配属されたもののろくな仕事貰えなくて、でもがんばっているうちに失踪事件 - 元々おとなしかった人(獣)たちが突然凶暴化して消えた - に関われるようになって、詐欺師キツネのNickを仲間に入れてあれこれ探っていくと実は市政ぐるみの陰謀が明らかになって、でもそれだけでは終わんなくて  …

物語としては、がんばりうささんJudyの成長物語、ていうのと、都市の警察・犯罪小説みたいなのの二面があって、前者のほうは、ディズニーの本領発揮というか、事前のリサーチでそもそもはNickのほうだった主人公をJudyにして、更にもともと男のずる賢い系のキャラ(いなばの白ウサギとかバッグス・バニーとかロジャー・ラビットとか … なんでだろね?)だったウサギを女の子にして、それを見る子供たちがちゃんとコネクトできるキャラを作る、という点では成功している。 Judy負けるながんばれ、って思わないのはけだもの、ていうくらい。

問題は後者のほうの、例えばこれを人間の新人警官で実写でやったら結構血なまぐさい犯罪ノワールになってもおかしくないのをなんでぴょこぴょこ動物キャラにやらせるのか、なの。 人間ドラマだとこういうのって犯罪捜査する側も過去に傷があったり闇を抱えていたりして苦労するもんだが、そういうのないし、「おそれを利用するのだ」ていう犯人の言葉もあったけど、アニメによる擬人化でそういうおそろしさは軽減されるのか - ていうより外見とは関係なしにやばいやつはやばいんだから、そういうのに簡単についていっちゃだめよ、ていうことを言おうとしているのか。 あるいはあるいは、アニマルたちの多様性にもうちょっとフォーカスして、どのみち起こりうるものとして備えておくべきなのか。 でも多様性とかいう割には虫も爬虫類も両性類も鳥類もいなくて、なんか恣意性(んなのあるに決まってるだろ)を感じるし。

ミステリーものとしてシリーズ化してもよいかも。鑑識とかやたらめんどうなの。この毛は、この爪は歯型は、この血痕は、DNAは、とか。 新種とか珍獣だとすぐ迷宮入りするの。

そういうのもひっくるめてのZootopiaなんだね、とか。
たぶんディズニーは数年後にアトラクション(か、パークそのもの)を予定していて、そのための準備もあるんだとおもう。 ほんとに実現するんだったら、ナマケモノさんはチケットブースに置いてほしいし、カジノにはやばいかんじの苦虫ネズミにいてほしいわ。

欲をいえば、動物たちはみんなキュートなんだから、もうちょっと矢で射ぬかれるようなきゅんとする瞬間があってほしかったし、あの子たちならできたはずだ。
黒幕は割とすぐわかるんだけど、続編ではぜひ村上春樹のあれをやってほしい。 もうちょっとダークな、80’sのトーンで。

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