4.17.2013

[film] The Place Beyond the Pines (2012)

会社にも行けずに点滴に行って寝ているしかできない(いくらでも寝れるねえ)のだが、しぬほどつまんないのでなんか書く。

シアトルに移動した10日の水曜日の夜中に見ました。
今回のシアトルの滞在はダウンタウンではなくてBellevueで、ここにはほんとになんもない。
よいのはホテルからビルの渡り廊下を伝ってシネコンまでぐるっと行けることだけなの。

"Blue Valentine" (2010) のDerek Cianfranceの新作。
前作に続いてRyan Goslingがいて、そこにEva MendesとBradley Cooperが絡む、三つ巴のじっとりダークな世界が展開される、と思ったらそういうのとはちょっと違った。

Luke (Ryan Gosling) は旅まわりサーカスのバイク曲乗りのスターで、その巡業地で出会ったRomina (Eva Mendes) と恋に落ちて、でも彼はまた旅に出て、次に会った時に彼女は赤ん坊を抱えていて、あなたの子よ、でももう別の男と一緒にいるから、という。 びっくりした彼は仕事を辞めてお金を稼がなきゃと彼女の近所に居を定めて職を探すがなかなかなくて、誘われるまま銀行強盗をやってみたら案外うまくいってしまうの。で、そのお金で束の間の家族の時間を過ごすこともできたりするのだが、長くは続かず、半ば自棄になってやった銀行強盗が失敗して民家に逃げ込む。そこに突入してきたのが警官のAvery (Bradley Cooper) で、撃ちあいの結果、Lukeは亡くなって、彼は地元のヒーローになる。

ヒーローになったAveryのところには警官仲間からの嫌味とか悪巧みとかいろいろあって、でも彼はずっとLukeを死なせてしまったこと、事件後の処理でRominaにひどいことをしてしまったこと、彼ら3人の家族を壊してしまったことに罪の意識を抱いていて、結局仲間の悪巧みをぜんぶ上層部にぶちまける。

で、話はそこから15年後に飛んで、Averyの子供のAJとLukeとRominaの子供のJasonが高校で出会う。 やがてJasonは自分の父親の過去と死亡の理由を知ってしまい。

"Blue Valentine"はひとつの愛が壊れていく様をどっしりと描いていたが、これも同じタッチと濃度と速度で15年以上に渡る何人かの人間模様を追っかけている。 それは長い時間が醸成するドラマなのか、或いはタイトルが示すように土地がもたらす呪縛のようななにかなのか。
(ドラマはLukeが定住したところから始まって、Jasonが出ていくところで終わる)

ただ、5人ほどの人物の15年に渡る交錯を描くには140分でも足らなかったかも。
それは冒頭のオートバイの曲乗りみたいに複数のライダーが球体のなかをえんえんぐるぐる回っているだけのこと、なのかも知れないが、描ききるのは難しかったかも。 見応えは十分なんだけどね。

あと、"Blue Valentine"を見たあとに感じる、これは自分の物語だ、というのと同じ強さで"The Place Beyond the Pines"は迫ってくるはず。 血の繋がり、その恩讐を超える場所はどこかにあるのか、ないのか。

俳優陣はすばらしくて俳優の映画として見たほうがよいのかも。 Ryan Goslingはやっぱしこういうすれっからしが一番だと思うし、Eva MendesもBradley Cooperもはっきりと力強い。あとは悪警官上司のRay Liottaとかも(これはもろ)。
あとはJasonを演じたDane DeHaanは見事だと思った。Ryan GoslingとEva Mendesの野良猫の目をしっかりと継いだ子供。

Original MusicはMike Patton。映画マニアらしい古典ノワールふうの音を楽しそうに出している。
あーこのギターはあのひとかしら、とか。
他にはArvo Pärtがいくつかと、Suicideの"Che"、とか。

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