4.06.2013

[film] The Intruder (1962)

23日土曜日の夕方、オーディトリウム渋谷の『コーマン・スクール2013〜春のスパルタ集中講義!』 で見ました。 スパルタ集中講義のはずなのにこの特集も1本しか見れず…

『侵入者』。 関係ないけど、"Intruder"というと、ピーガブの3rdの冒頭のゲートエコー ドラムが反射的に鳴りだす。

冒頭、街中を車で走っていくだけのモノクロの画面だけで、なんだかたまらない。

人種統合(integration)施行前夜、南部の小さな街に、スーツを着た小綺麗で気さくそうな男(William Shatner)が降りたち、ホテルの一室を借りると、街のいろんな白人達に今度の統合をどう思う?とか聞いて彼らの戸惑いや不快感を操って、迫害を扇動していく。 男は自分をSocial Reformerだといい、暴力はいかん、と口ではいうものの煽られた方は抑制が効かなくなり、「なにがわるいんだよ」ていう民衆をコントロールできなくなっていく。

人は人を殺してはいけない、これと同じく、人は人を人種や肌の色で差別したり迫害したりしてはいけない、ということと、言葉による扇動 〜 統制、というのはやろうとしたってコントロールできなくなって失敗する、というふたつのことを言おうとしていて、実際に映画のなかでは失敗するその過程がとてもわかりやすく、たっぷりの緊張感と共に描かれている。 嘘を強要されて最後に泣きながら白状してしまう女の子も、男の嘘と欺瞞を見破って立ちはだかるおじさんも、とってもそこらにいそうですばらしい。

この後、人を虫けらみたいに殺しまくるようなバカ映画ばかりを量産していくコーマン先生も、この頃はこんなにストレートで熱のこもった作品を作っていた、ていうのはなんかよい話かも。 興行的には失敗だったらしいし、失敗した理由もなんとなくわかる - けど。

でも、これが未公開のまま、という日本も恥ずかしい。
ていうか、外国人は死んじまえとか、この国から出ていけとか、その人達が暮らしている目の前で平然とデモしてて、それを行政はふつうに放置してて、そういうとこで、オリンピックを!とかにこにこキャンペーンできる、そのひどさときたらこの映画のWilliam Shatnerの100倍もゴミだとおもう。
ほんと、Shame on You  だわ。

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