6.30.2012

[film] To Rome with Love (2012)

25日の月曜日の晩、時差がきつすぎて仕事できません、といって抜けてAngelikaまで下りて見ました。

たしか8:30の回で、Woody Allenの新作公開時にはいつもそうであるように、遅くまでおじいさんおばあさんを含む大人の観客で埋まってて、みんなわあわあ言いながら楽しんでいる。

そこいくと日本の温度差って、なんなんだろうか。
始まったばかりの"Midnight in Paris"だって本国公開から1年以上後だし、その前の"You Will Meet a Tall Dark Stranger" (2010)は公開すらされていない。 
どうでもいい文系芸能人の提灯とか太鼓とかそんなのがなければ公開できないんだったらもういい。 公開されるたびにNew Yorkに通って見てやる。 こんなに軽くておもしろくて、あとに残んない気持ちよい作品なんて、そうないのに。

今回の舞台はイタリアのローマで、これまでのAllenのヨーロッパものの流れからすると、英国つーたら犯罪、バルセロナつーたら女、パリつーたらアート、で、ローマつーたら恋、ということになる。

前作はOwen Wilsonのひとり勝ちだったが、今作はアンサンブルで、どいつもこいつもたまんなくおかしいの。

筋は、こんなかんじかなあ。

観光できたアメリカ人の学生(Alison Pill - 前作のゼルダ)がローマ人に声かけられて仲良くなって結婚することになり、彼女の両親(Judy DavisとWoody Allen)が相手方の家族に会いにくるというお話とか、休暇できたアメリカ人の有名な建築家(Alec Baldwin)が昔住んでいたあたりを徘徊していたら建築を学んでいる学生(Jesse Eisenberg)と会って、彼と同棲している彼女(Greta Gerwig - ここではあんまVersusしない)の自己中な親友(Ellen Page)との間に恋が勃発するのを横で見ている話とか、成功した若いイタリア人夫婦がローマに来て、夫の親戚に会うことになるのだが、彼女は町に出たあと迷って家に戻れなくなり、その間に夫のとこに誰かの呼んだ娼婦さん(Penelope Cruz)が現れて、いいからやろうぜとか言ってて、妻のほうにははげででぶの映画俳優が現れて、それぞれやっちゃうのに、不思議とお互い仲よくなる話とか、ふつうのイタリア人のサラリーマン(Roberto Benigni)がある日突然セレブにされてレポーターに追いかけ回される話とか。

ローマを訪れたアメリカ人、ローマを訪れたイタリア人、ローマに住んでいるイタリア人/アメリカ人、どの人たちにも等しくやってきてきりきり舞いさせるあんな恋こんな恋を落着きのない微熱とか発情とか、そんな振るまいのなかにさくさく描く。 カメラは洗濯機の渦のまんなかで(交通整理のおじさんよろしく)ぐるぐる回り続ける。

間違っても物想いに沈んだり、めそめそひとりで泣いていたり、というのはなくて、それこそRoberto Benigni演じる典型的イタリア人らしくニワトリみたいにみんなきょろきょろ行ったり来たりしてなんかおかしい、という。

シャワーでオペラ歌うおじさんとか、横でえらそうにしている割になんもしないAlec Baldwinとか、ちゃらちゃらうるさいだけのEllen Pageさん(いかにもいそう)とか、どうでもいい横のひとたちもよいの。

Allenでいうと、何回でも見たくなる系のやつ。 そういうのだらけなんだけど。


えー、ほんとうであれば、帰りのJFKに向かわねばならぬ時間のはずなのだが、1日延びた。
でも土曜日午前中は仕事で動けない。 どうしてくれようー。

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