6.10.2012

[art] Picasso Prints : The Vollard Suite

日曜日のロンドンと残りのあれこれを。

小雨のなか、British Museumに向かって、まず2階のレストランでお食事した。
Smoked mackerel and horseradish pate with herb salad (£6.50) ていうやつ。
パテはガラスの瓶に入っててあっというまになくなる。ここはお茶もおいしいの。

見た展示は、"Picasso Prints : The Vollard Suite" ていうの。Freeでした。
当時の前衛アートを多く紹介した画商Ambroise Vollardに捧げられた100枚の版画。
100枚纏めて見たことはそういえばなかったかも、と。

制作当時、30年から37年頃のPicassoは、ミューズMarie-Thérèse Walterと出会ってばりばりで、でも勝手に奔放にやりたい放題やっていたかというとそうでもなく、アングルやレンブラントやゴヤ、古代ローマの彫刻、といった古典も振りかえりつつ版画表現の実験を進めていた。 会場には典拠した古典も横に並べてその学習の痕跡がくっきりとわかる展示になっている。

もうちょっと実験ぽいデモとかBasement Tapesみたいなものかと思っていたがそうではなかった。 一枚一枚ぜんぶ違うし、それぞれに完結したプリントである、ことが帰ってきてカタログ見直しても改めてわかる。

線と面、白と黒、版画プリントにある要素はこれらと、板の上の傷とノイズ。 これらを使って光と闇、動物と静物、男と女、人と獣、その衝突、交錯、その中間に現れるあらゆる形象を捕まえようとする。線はあくまで単線で鮮やかに、影はどこまでも黒くざくざく塗りつぶしていこうとする。

半分を占める"Sculptor’s Studio"の静的なヒトとモノの配置から一転して、"Battle of Love"の、Rapeシリーズの黒煙が飛んできそうな猛々しさ、そして有名なMinotaurの、獣へと変容していく人体の生々しさ。

Picassoの展覧会て、あたりはずれの幅が結構おおきいのだが、これは当たりでしたわ。

もういっこやっていたFree展示が、これ。

"The Horse : from Arabia to Royal Ascot"

Royal Patronとして"HM Queen Elizabeth II"、Diamond Jubileeお祝い企画で、古今東西のお馬さんモチーフのアートをざーっと並べてあるの。 そりゃ天下の大英博物館ですからね、教科書で見たことあるセレブなお馬さん達が群れをなしていっぱいいるわけ。

それにしても、馬って歴史のなかで散々殺されてひどい扱いいっぱいいっぱい受けて、しみじみかわいそうな動物だよねえ。 日本なんてそのうえ刺身にされるは鍋にされるは。
こんなアートにされたからってご機嫌なおんないよね。 もっと怒っていいよ、うま。

いったん切ります。 ロンドンあと一回。 たぶん。

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