5.06.2012

[music] Morrissey - May.3

シネマヴェーラを出たのが5時25分、ライブの開演は6時だったので結構ぎりぎりだった。

4.24のレビューに書いたとおり、今回の来日ツアーは1回見ればいいや、と思っていたのだが、連休前も中もあまりにひどい天候だし、映画のほかにあんま予定入ってないし、恵比寿なら台場みたいに消耗しないし、彼のライブも、愛想でまた来るて言うに決まっている(うん、言ってた言ってた)けど、その保証なんてもちろんどこにもないし、彼自身だっていつアサドの刺客にやられちゃうか知れないし、あとね、いまどき「一緒に死のう」って正面から言ってくれるひとなんていないのよね、 Bowieがいまあんなふうだし、とかあれこれ考えたのね。 ←要はひまってことよ。

6時きっかりに、"Let Me Kiss You"から始まる。 
曲間、背後のスクリーンには"Who is Morrissey?" て吹き出しで言ってるオスカー・ワイルドが。
バンドメンバーは上半身すっぱだか。 ギター番頭だけ、黒ラメのAlison Moyet。

音はZeppの最近のCDみたいに中域がみっしり詰まった結果粗めに聞こえてしまう田舎もんの音とは違って、こっちのがとっても繊細でよいかんじ。 ストロボすら控えめで好感がもてる。

本人もやたらご機嫌で"Welcome to the Tokyo Dome!"とか「どーもどーもどーも」とか、いろいろやってた。
しかしそんなことよか、彼のヴォーカルがとんでもなくすばらしかった。
どこまでも自在になめらかに伸びて、客席を極上のシーツで覆ってくれる。

特に終盤の"Ouija Board…" ~ "To Give … " ~ "Please, Please… "のあたりね。
あとは、"Shoplifters Of The World Unite" やってくれたし、アンコールも2曲やった。
24日の結構ぐさぐさしたモードと比べると、ほんとに穏やかでフレンドリーでまたね、だった。
アンコールの2曲にはっきりと。 "Come, Armageddon Come!" って。

ホールのステージ向かって左側の壁に時折、歌っている彼のシルエットが映るの。
背中を少し丸めて吐き出すように歌う彼の影があって、その足下に客の子達が携える花の影があって。
このひとは30年間こうやって、花を抱えた子供達の前で歌ってきたんだなあ、と思ったらなんだか泣けた。

とにかく戻ってくるからさ、と繰り返し言っていた。ぼくは飛行機で向こう側に行っちゃうけど、でも、ぼくは歌う - "I Sing" - と。 歌ってね。 聴くから。 一緒に歌うから。


The Smithsと同じ頃に最初のEPを出して、音楽ばかりではなく出版も映画も、チベット問題まで含めたIndependentな活動家として活躍されていたAdam Yauchさんが亡くなられました。
わたしはBeastiesについては、ふつーにすっげーとか言いながらライブに通ってぴょんぴょんする程度でしたが、彼らがTibetanで(今こそ再び!)、あるいは911直後の"New Yorkers against Violence"のライブでの実践を通して貫こうとした非暴力の思想を、あくまで自分たちの力で広めていこうという態度はぜったい継承していかなければいけない。

んでね、Beastiesの音って、追悼であがってきた動画あれこれを見ていて改めて思ったのだが、しんみりした感傷から最も遠いところでミラーボールとして輝いているのだった。 バカでやんちゃで落ち着きなくて、でも胸がすくほどかっこよくて。

追悼するんだったら動け! なんかやれ! と。 彼も彼の家族も言うことでしょう。 
心からお悔やみを申し上げます。

あ、映画に関して言うと、彼が設立メンバーであるOscilloscope Laboratoriesでの活動はもっとちゃんと評価されるべき。日本に来て当たったのは"Exit Through the Gift Shop" (2010)くらいですが、音楽関係だと、"Scott Walker: 30 Century Man" (2006)とか、"Who Took The Bomp? Le Tigre On Tour" (2011)とか、"The Other F Word" (2011)とか、文学関係だと"Howl" (2010)とか、"William S. Burroughs: A Man Within" (2010)とか、ここ数年の米国の独立系映画にすばらしい風を呼び込んでくれていたのです。

映画の冒頭にOscilloscopeのロゴと共にびにゅーぅんて音が鳴るとどきどきするんだよ。

http://www.oscilloscope.net/

そしていま、ここのTopに行くと、あのバンドのラストライブの予告が見れる。
彼の飼っているわんわん、かわいー。

このフィルムが日本に来ないんだったら、もうまじでこの国を棄てる。

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