12.20.2011

[art] Leonardo da Vinci: Painter at the Court of Milan

17日土曜日のおはなし。
渡英前から、これだけは、映画いっぽんも見れなくても、これだけはなんとしても、だったのがこれ。
前売りは全日分既にSold Out。 チケットを取るにはその日の朝行って並ぶしかない。

8時半少し前に出たのだが地下鉄 (Jubilie…)が途中止まったりしやがって、着いたら9時を回っていた。National Galleryの前には誰もいなかったので、いないじゃん、と思ってのんきに写真撮ったりして遊んでて、でも背筋になんかやな予感が、と思ってちょっと離れたところをのぞいてみたら、そこにはぐちゃーっとありえない人溜まりが。 

もう並ぶしかないので並んだのだが、とにかく寒いし(マフラーも手袋もわすれた)、雨降ってくるし、泣きそうだった。 英国だから、ということでiPodでThe Smithをずっと流していたのだが、"Hatful of Hollow"を過ぎて"Meat is Murder"まで来たところであまりの寒さにコンクリにあたまぶつけて死にたくなってきたので、T-Rexとかに変えてぴょんぴょん跳ねて暖をとる。

列が動き始めたのが開館時間の10時、チケットを買えたのがようやく11時15分くらい。
その時点で取れた入場時間帯は1:30 - 2:00。 £16。 取れただけでじょうとう。

1:30迄隙間があいたので、隣のNational Portrait Galleryで展示をいくつか見る。
"The First Actresses"ていう英国の18世紀の女優さんたちの肖像画特集と、"Photographic Portrait Prize 2011"ていう2011年の肖像写真大賞受賞作品の展示。 なかなかよい写真がいっぱい。

http://www.npg.org.uk:8080/photoprize/site11/index.php

それから、National Galleryのカフェ、National Cafeっていうとこ(イタリアン)で、da Vinci展記念メニューみたいのをやってて、ついでだし、と食べた。(ミネストローネとサフランリゾット、ぜんぜんおいしい)

1:30に行ったらすんなり入れた。中は、普通の展示よりは混んでいたが、日本みたいに柵があるわけでもないし団子の列でべったり行進していくわけでもない。(あれ、変だよねえ)
とりあえずちっちゃい素描はほぼすっとぱして(後でカタログで見る)、でっかいやつだけ流していく。

da Vinciがミラノ公に仕えていた80'sから90's(あ、15世紀のね)の頃にフォーカスした展覧会。
画家としていちばんばりばりにキメてた時代のやつら、なの。 すごいの。

展示場である地下の部屋はぜんぶで6つ。
最初の部屋で脳の毛細血管がぷちぷち音を出しはじめて、ふたつめの部屋で鼻血だして卒倒しそうになり、鼻血も涎もいくらでも出ていい、失禁したっていいから目だけは最後まで生かしておいておねがい、とそこらじゅうに掛かっているマリアさまイエスさま達に手当たり次第お祈りしつつ、なんとか最後までいく。

昨年のBritish Museumでのルネサンスの素描展もすごかったがあれよか遥かに上を行く。
今年のアート関係の、たぶんベスト。 とんでもねえ。

"Portrait of Cecilia Gallerani (The Lady with an Ermine)"の白テンの毛皮のふさふさ、未完の"Saint Jerome"(ヴァチカンにあるやつ)の頭から首にかけての線のぎりぎり感、"The Virgin of the Rocks"のセカンドバージョンのほうの、天使のけつに食いこんだレースのひだひだ、"Christ as Salvator Mundi"の右手の完璧なフォルムと、宇宙がつまった水晶、その重みを支える左手の柔らかさ、などなど。

ルーブルにある"The Virgin of the Rocks"の最初のがあって、くるって振り返ると、セカンドバージョン(これはもともとNational Galleryにある)がそこにいるの。 前を見ても聖母、後ろを見ても聖母。 ありがたやありがたや。 

この先、どんだけデジタルアーカイブがあれこれどんだけ極めていったところで、今回のここで網膜から脳神経を走っていった電撃とアドレナリン嵐は逆立ちしたって再生できないね、て断言しよう。
モダンアートなんてくそくらえ、とかそういうことも思った。 
絵が、アートが、頭んなかに捩じこんでくる強さが、もうぜんぜんちがう。

別館地下のメインの展示コーナーのほかに、本館でも展示をやってて、そっちは「最後の晩餐」特集だった。「最後の…」絡みの習作いくつかと、オリジナルの修復期間中(20年以上)に代理で展示されていた弟子制作版の実物大のをそのまま運んできていた。 
これはこれで十分すごいの。 昨年マンハッタンで見たマルチメディア駆使したやつも、悪くはなかったけど、絵なんだから、こんなふうな絵でじゅうぶんじゃん、とか。

久々に本館のほうにも来たので、いつものようにHolbeinとRembrandtとRaphaelとVermeerをみる。(Vermeerは1点しかいなかった)あと、いつも乳をびろーんて出してて朗らかなPalma Vecchioのおねえさん(あんただれ?っていつもおもう)も。

da Vinciのカタログは、当然のように買う。 意地になってハードカバーのほうを。

それから歩いて前の晩のICAの本屋に行って、何冊か。

ひとつ買ったのはこれ。
http://www.thamesandhudson.com/9780500288917.html

そしたら、この本にはいろいろ問題があるらしいことがわかった。 ふうん。
http://fanzinesbytealtriggs.weebly.com/

この時点で両手が本でいっぱいになってしまったのだが、重いのは今日中に運んでしまおう、とそのままバスでRough TradeのEastに行って何枚か買った。 クリスマスで店内は賑わっていたものの獲物はあんましなかった。12inchなんまいか、7inchなんまいか、10inchいちまい、くらい。 あと本も少し。 

The Pogues & Kirsty MacCallの"Fairytale of New York"の7inchが再発されてた。 うれしい。

ここまでで、これいじょうの買い物はぜったい無理、になったのでバスでいったんホテルに戻る。

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