2.10.2024

[film] Argylle (2024)

2月2日、金曜日の晩、BFI IMAXで見ました。二晩続けてIMAX。

21時の回とはいえ、初日なのに、Matthew Vaughnの新作スパイものなのに、あんま入っていなかった。この二週間くらい前、BFI IMAXの座席が全部この映画の猫(Alfieっていうの)の肖像で埋まっていたりして宣伝はがんばっていたのに。

確かに、Guardianでは★一つだったりしたけど、ストーリーは相当にいいかげんでめちゃくちゃだけど、耳タレ丸猫が出てくるし、悪くなかったよ。Sam Rockwellがよくて、強がりを言いながらだんだん傷だらけになっていく姿とか変てこ(自分ではかっこいいと思っている)ダンスのステップを踏む彼が好きなひとにはたまんないと思う。以下、多少のネタバレはあるか。

冒頭、典型的な危機一髪のシーンで、万能スパイのArgylle (Henry Cavill)が仲間のJohn CenaやAriana DeBoseと敵方の殺し屋のDua Lipaを相手にやりあったりしていて、でもそれは人気小説家Elly Conway (Bryce Dallas Howard)の最新作のヤマ場を書店のイベントで朗読したのを再現したもので、でも実家の母親(Catherine O'Hara)とビデオで話していてその結末がなんかいまいち、って指摘されたこともあり、電車で実家の方に向かうことにする。

その電車の中で長髪の小汚い男が絡んできて嫌だな、と思っていると突然彼女を狙ったかのような殺し合いが始まって、そしたらその男Aidan (Sam Rockwell)が彼女を守ってくれて、彼が言うには彼女の書く小説の通りに世界の裏側でいろんなコトが進んでいて、小説に出てくるマスターキーを狙って悪の組織がやってくるのだ、と。本当にAidanを信じてよいのか半端に悩んだ状態のままロンドン~フランスと逃げていくところで、ママとパパまで実は悪の組織の.. とか更にはElly自身も.. とかどんでん、というよりも脱臼とか階段落ちみたいなのが延々続いていって、そのバカらしさときたら“Kingsman: The Golden Circle” (2017)をはるかにしのぐほどで、Matthew Vaughn映画の定番である最後のやけくそに弾けまくるドンパチも、今回のについては最高級にバカバカしいったらない(褒めてる)。

素人の巻きこまれ型スパイ・コメディというとみんな大好き”Knight and Day” (2010)があって、あれは確かにすばらしいのだが、だれもがCameron DiazではないしTom Cruiseではないしなー、ってなるし、家庭内だましの巻きこまれものだと、さらに古いけど、”True Lies” (1994)なんかもあるのだが、あれらと比べてしまうとあとちょっと… フィクション上のスパイものと現実のスパイの殺し合いを小説で繋いで交錯させるって、アイデアとしては面白いけど、画面上だとどたばた煩雑で落ち着かないかんじになるなー。では、かといって見るからに、のHenry Cavillを中心とした典型的なスパイアクションを見たいかというと、そういうかんじでもないし。難しいかも。

わたしはBryce Dallas Howardさんが好きなので楽しく見ることができたが、そうでもないひとにはなんなの? ってなるかもしれない。パパとママがBryan CranstonとCatherine O'Haraのふたりで、これだけですごくよいし。Catherine O'Haraさんが出てきてあたふたするやつだと、つい“Kevin!”て絶叫してほしくなるねえ。

猫にはもうちょっとがんばって何かやらせてあげたかったかも。実はすべてを握って操っていたのは猫さまだった、くらいにしちゃうくらいでよかったのに。 少なくとも(同じ役名の)Samuel L. Jacksonとなんで絡ませなかったのか、とか。


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