10.06.2017

[film] Goodbye Christopher Robin (2017)

1日、日曜日の午後、Piccadillyのシネコンでみました。

これもなかなか悩ましい1本で、だって予告を見るとなんか暗くて悲しそうな実話で、でも大好きなWinnie-the-Poohで誰もそんな辛い思いしたくないじゃん? もちろん、そもそものPoohの顔をみれば底抜けに明るい話じゃないことはわかっているけど、わかっているから、更にかなしいやつとか、だれも見たくないよね?

でもわるくなかった。 ものすごく難しかったと思うけど、とてもよい父と子の物語になっているとおもった。

A. A. Milneは第一次大戦に英国軍の兵士として従軍して、帰ってきた1920年に息子のChristopher Robinが生まれて、でも彼はPTSDに悩まされていて、大きい音とかスポットライトとか蜂の羽音でもガタガタ崩れてしまうので、自身の作家業に専念するためにも都会から離れてサセックスのほうに越してみる。 でも妻のDaphne(Margot Robbie)は静かな田舎暮らしがつまんなくて出ていっちゃうし、まだ子供のChristopher RobinはNannyのOlive (Kelly Macdonald)にべったりの甘えん坊さんで、自分の筆も進まないのでついきつくあたっては怖がられて逃げられてが続くので、これではいけない、とふたりで森のなかの散歩の時間を持つようになる。

そうしていくなかでChristopher Robinがいつもぶらさげているぬいぐるみの熊の話しになって、彼の名前とか習性とか仲間とか、とりとめなく話していくうちにこれをお話しにできるのではないか、と友人の画家に来てもらってふたりのいろんな絵を描いてもらい、こうして"Winnie-the-Pooh"の本ができあがって、そしたら本は戸惑うくらいの大人気になり、父と子はいろんなところに引っ張りだされたりいきなり声かけられたりで疲れ始めて、また森でのんびり過ごしたいよう、になるの。 

この辺から辛くなって、それを子供の成長に伴う親と子の痛み、とか広げて言ってしまうことは簡単だけど、有名になりすぎてしまったことで失われてしまった親密さ、取り返すことのできないその時間を求めて互いに傷つけあって、もうWinnie-the-Poohのお話しは書かないことにするのだが、溝は埋まらないままChristopher Robinは寄宿学校に行って、そこでいじめにあって、戻ってきた彼は二次大戦に従軍すると言ってきかなくて、それで - -

父と子が離れていくのとそれを更に分断しそうな戦争が来るのと2段階できつくて、だって誰も、なんも悪くないし互いに愛しく思っているのに、PoohはただのPoohなのに、なんでよ? って。 たぶんいま同じような年頃の父と子を生きているひとにとってはもっとくる、のかもしれない。
でも、(A. A. Milneを知っているひとは知っていると思うけど)実際にはそんなにひどいことにはならなくて、映画はそこをうまく描いていてよいの。 とにかくPoohが永遠で絶対であることは間違いなくて、そこはだいじょうぶだから。

A. A. Milneを演じたDomhnall Gleesonは、これまでStar Warsの悪役とか、どよんとしたイメージしかなかったのだが、やはり相当うまいひとなんだなー、て思った。 微妙な辛さとか痛みを繊細に伝えることができるの。(これが悪役になったときに活きるのね)

次の熊はPaddingtonかー。 London Zooにも早く行かなきゃ。

そうそう、12月になるとV&Aで展覧会があるのよ。
https://www.vam.ac.uk/exhibitions/winnie-the-pooh-exploring-a-classic

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。