12.11.2015

[log] December 08 2015

シドニーから戻ってきています。 帰りの空港あたりからなんかばたばたで眠いはだるいはあれこれ降ってくるはどうしようもない。

行きの飛行機で見たもう1本。

Mr. Holmes (2015)

1947年のSherlock Holmes (Ian McKellen)は田舎で引退してやかましい家政婦のLaura Linneyとその息子と一緒に養蜂とかをして暮らしているのだが、記憶障害に煩わしされるようになっていて、ローヤルゼリーが効かないから日本に行ってそういうのに効くという山椒の苗とかを持ってきたりしている。 (山椒をどろどろにしたのって、ボケに効くの? その山椒って広島の爆心地に生えているの? 真田広之はそのガイドのためだけに出てきたの?)

お話しは、Holmesが引退する直前、彼が手掛けた最後の事件を改めて追う - 助手は家政婦の息子 - ていうのを中心に、Holmes自身の老いとか養蜂の話とか、いろいろ。 まず、事件が謎なのは背後に周到なトリックがあるからなのかHolmesがボケちゃってわからなくなっているからなのか、そこら辺に辛抱強く付きあっていかないといけないところがHolmes好きじゃないひとにはきついかも。 さらに肝心の謎がそんなでもないとこもちょっとさみしいかも。 そりゃHolmesだってふつうに歳はとるしいつかは死んじゃうんだろうけど、そんなの誰が見たいのか、なのよね。

わたしはIan McKellenというおじいさんが好きだし、眉をひそめるLaura Linneyさんも好きなのでふつうに楽しめたけど、全員スズメバチにやられて一気に暗転、とかしてもおもしろかったかも。

帰りの夜便はQantasで、修学旅行帰りみたいなガキ共がうじゃうじゃいてげんなりだったが、機材が懐かしや2階建ての747で(2階がよかったのにな)、さすがにクラシックなかんじだったが、もうどうせ寝るだけじゃろ、でもな、と映画のリストを見たらひとつあったのでこれみた。

Paper Towns (2015)

Quentin - Q (Nat Wolff)は子供のころ、隣に越してきたMargo (Cara Delevingne)を見て運命のひとだと確信し、ただMargoはちょっと独特の変わった娘で、適度に距離を置きつつ高校のシニアになったある日、MargoはQに自分の親友と浮気しているボーイフレンドをとっちめる、とQを誘いだして夜中の冒険に繰り出して、それはとってもミステリアスな夢のような夜になるのだが、その後で彼女は姿を消してしまう(村上春樹的な失踪 .. てきとー)。 彼女の部屋に残された手がかりを元に彼女が行きそうな場所をつきとめて、プロム前なのに、と渋る仲間たちと一緒にNYのAgloe - コピーライト保護のために地図上に記載されているだけの実在しない町 - Paper townに向かって突っ走る。

デザインはあるけどぱっとしない未来。夢の少女。彼女の失踪。追跡。幼年期の終わり。
原作はJohn Greenで、"The Fault in Our Stars"がただの難病モノではなかったのと同様、これもただの青春ドラマではなくて、ではどう異なるのか、というのはひとりひとりがこれをどう読むかにかかっている。そういう間口をもったやつ。
それはかつてのJohn Hughesの映画のありようともなんか似ていて、彼の映画も一見ちゃらちゃらした学園青春ドラマのようで、実は見たひとにものすごく大きな根を長い期間かけて張りめぐらせていく。 ていうことにたまに気づいたりするこのごろ。

なんかね、”Ferris”を思いだしたりもした。 QはFerrisに出てきたCameron - 達観しているようでいろんなことを恐れている - で、FerrisはMargoなの、かもしれない。そしてQにとって決定的だったあの晩、仲間たちとの旅、そういうのは彼らにとっても、見ている我々にとっても残るんだよね。 ずうっと。

あとは、なんでこんなにちゃんとしたふつうの映画が公開されないのか、ってことなのよ。 
いつものことながら。 これはバカな大人の責任。

到着前、朝の4時頃、ぼーっとした頭で機内のオーディオに入っていたKendrick Lamar、はじめてきいた。 おもしろいねえ。


シドニーのその他はあまり印象ないの。
ホテルの近所にThe Museum of Contemporary Art Australiaがあって、5時半くらいに駈け込んでみたのだが、5時に閉まっているのだった。 5時に美術館が閉まってしまう町...
Grayson Perryの展示が12/10から始まっているのね。

食べ物はオペラハウスが見える水辺の、典型的なところでSydney Rock OysterとBarramundiていうお魚をたべた。 繊細な魚なんだから、と言われてみると確かにそうかも、スズキとサワラをあわせたような。(スズキの仲間なのね)

火曜の昼は魚市場で飲茶をたべた。豆腐花があったのは嬉しかったけど、粽のお米がもち米じゃなかったのがちょっと衝撃だった。

せめて本屋くらいー、Frankieくらいは買ってかえるかー、だったのにQantasのラウンジではほとんど仕事しなきゃならなくて、しんでた。

“Home Alone”はやっぱりおもしろいよねえ。

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