1.06.2015

[film] Mittsommernachtstango (2013)

28日の日曜日、午前中に渋谷でみました。

「白夜のタンゴ」。 英語題も"Midsummer Night's Tango"。

冒頭にプロデューサーでもあるAki Kaurismäki先生が登場して、俺は結構怒っているんだ、とかいうの。
タンゴはフィンランドが発祥でアルゼンチンに渡ったのに、アルゼンチンタンゴばかりが有名になって、タンゴと言ったらアルゼンチンみたいに言われるのはおかしいしあたまくるぜ、と。

で、カメラはブエノスアイレスに飛んで、現地のタンゴミュージシャン3名(ヴォーカル = Vince Vaughn似、ギター = 若い頃のAdam Sandler似、バンドネオン)にフィンランドがタンゴ発祥て説があるんですけど、と言うと、わはは、って笑ってじゃあおれらが行って見てきてやらあ、ていうことになる。 逆のコース - フィンランドのミュージシャンがブエノスアイレスに行って追っかける/問い詰める - にしなかったのは、まあまあまあ、とか丸めこまれちゃう可能性がたっぷりあったからよね。

ミュージシャン3名(+撮影スタッフ)はフィンランドで車を借りて、地図を頼りに現地ミュージシャンのところを訪ねて話を聞いたりセッションしたり、パーティに飛び入りして演奏したりもする。 文献や証跡・証拠を手繰ったり掘ったりして実地検証する、みたいなアプローチではなく、彼の地でタンゴと呼ばれる音楽がどんなふうに土地や人々の間に流れて彼らの体を揺らしたり愛を呼んだりするのか、を白夜の光や風といったところも含めて感じてもらう。 こっちのが元祖でしょほうら、とか威張ってもしょうがないことは最初からわかっている。 この辺の慎ましさ。

人は旅をする生き物で、旅に出た先で人を恋しくなって歌いたくなって踊りたくなったらそこに音楽は現れる - その土地にあるものであれ持ち込んだものであれ - こうして人と同じように音楽も旅をして空気を震わせて時間を積みあげてそこに留まる。  音楽ってそういう自由な旅をするものなのよね、ていうことがアルゼンチンとフィンランド、ていう辺境同士でも確認できる、というか半端な辺境を結ぶことでよりくっきりと浮かびあがったりする、のかしら、と。

結果、ゆるゆるのフィンランド音楽紀行、みたいなのにならざるを得なくて、短い夏、日照時間を惜しむように薄着の体をふよんふよん重ねていく、或いは昼間の熱からクールダウンしていくフィンランド・タンゴに対して、深まっていく闇夜に剃刀の脚回しできりきり切り込んでいくアルゼンチン・タンゴ、どちらもぜんぜん別のものだし、別で一向に構わないんだ。

音楽は世界を繋ぐ、とか、この音楽はクールだ! とか偉そうに言うのはなんてかっこわるいことだろう、て改めて思うの。 向い合わせる体と体、絡ませる腕と脚があるのならそれで十分じゃないか。
ていうところに考えを運んでくれる、というだけでこの映画はよかったのかも。

ラスト、機材を片付けるKaurismäki先生は明らかに御機嫌を損ねていたようだったけど。
(おれがやったらこんな緩いもんには….)

ブエノスアイレス、また行きたいなあー。

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