1.25.2015

[film] Love, Rosie (2014)

3連休さいごの12日のごご、新宿で見ました。 満員になっていたのでびっくり。
『あと1センチの恋』。 なにが「1センチ」なんだろ。 「5杯のテキーラ」でも「ゴム皮1枚」でも。

原作は “P.S. I Love You” (2007)のひと、ということで、この映画は今にして思えば”Gone Girl”の先を行く底意地の悪さを湛えたやつだった。 病気でフィジカルに”Gone”してしまったGerard Butlerが、めそめそ泣き続けるHilary Swankに黄泉の国からえんえん手紙で指令を送り続けて、恋の地獄のおそろしさの前に震えてただ途方に暮れるしかないのだった。

英国の田舎町にいるRosie (Lily Collins)とAlex (Sam Claflin)は幼馴染で友達以上恋人未満(ううはずかし)てやつで、大学は一緒にボストンに行こうぜ、て誓うのだが、Rosieは一緒にねたぼんくらにコンドーム破られて奥に置き去られて、結果妊娠しちゃって、生まれた子は”Juno”みたいに養子に出そうとするのだがあんのじょう情が移ってシングルマザーでがんばることにしたらあのコンドームやろうが再び現れて一緒になる。 医学生としてボストンに渡ったAlexも現地で彼女みっけて結婚することになって、でも相手の女は性悪で、こんなふうに互いが互いにぎったんばっこんしてタイミングとか想いとかが噛み合わないまま12年 - “Boyhood”とおなじだけの12年 ... (原作では12年どころか45年なんだと ... )

12年間こうだったんだからよっぽどご縁がなかった(さよなら)、と見るか、12年間煮つまったんだからこんどのはほんもの(がっちり)、と見るか。

ふたりの恋の行方にはらはらやきもきするようなヤングではないので、その往生際の悪さというか依存症というか、たんにふたりとも不器用でうまくいかないときについ相手の方を見てしまうだけなんじゃないか - その「つい」が肝心なんだよ、て言われたらそれまでだけど。

そういえば彼が/彼女がいつもそこにいた/いてくれた、ていうあるときの気づきがふたりの関係を次の段階にひっぱりあげる、ていうのはわからないでもないのだが、その向かう先はやっぱり一緒になる/暮らす、ということになってしまうのだろうか。 いや、これで一緒になって互いにとって最低なやろうであることがわかった日にゃ、「あたしたち」の12年はなんだったのよきーっ、てなるよね。 ものすごくお先まっくらになっちゃうよね。 そうかここから“P.S. I Love You”の地獄の釜のフタは開かれるのかー。

主演のふたりの演技はとってもきちんとブレがなくてよかった。
あと、エレベーターのおじさんのエピソードはおもしろかったねえ。

“P.S. I Love You” も、音楽だけは素敵だったが、これもなかなかで、Elliott Smithの”Son of Sam”とか久々にしみた。  パパCollinsの"Against All Odds”でも流せば結構はまったはずなのに。

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