1.18.2015

[film] The Iron Horse (1924)

10日の土曜日の昼間、シネマヴェーラで見ました。

昨年11月の京橋のMOMA特集で、“Kentucky Pride” (1925)と“The Shamrock Handicap” (1926)の2本のJohn Ford馬映画にぴーぴー泣かされたものとして、この馬映画(だと思ったのよ、題名で)を見ないわけにはいかなかったの。
150分のサイレントだけど、馬みたいに速くてあっというまで、あっけにとられる。

冒頭、大量の羊がどわどわ横切っていくので、羊年映画だあ、て喜んだ。
シカゴで、大陸間横断鉄道を夢見る測量技師とその息子Dave(George O'Brien)がいて、父と子は測量のために西に旅立って、その背中を黙って見つめるリンカーンがいるの。 で、西を目指している途上、いいか、あの谷の間に電車を通すんだ、て父が言った後、彼は二本指のインディアンに殺されてしまう。

そこから十数年が過ぎ、リンカーンは暗殺されてしまったが大陸間横断鉄道の夢はまさに始まろうとしていて、オマハから西に向かうUnion Pacific鉄道とサクラメントから東に向かうCentral Pacific鉄道が互いに競うように地を掘って杭を埋めて線路を延ばしていって、でもそこにはインディアンの襲撃とか労使問題とか予算超過とか労働力移民問題とか町ごと民族大移動とか、いろんな問題が渦を巻く、要は国家事業の困難と課題がぜんぶ詰まっていて、そういうバックグラウンドを貫いて父の夢を継ぐべく突然地の果てから現れたDaveと、幼馴染のMiriam (Madge Bellamy)の恋 - でもMiriamにはUnion Pacificの社長である父の右腕の婚約者 - いけすかねえ野郎 - がいて、父の仇討ちの件もあって、はらはらさせられるばっかりで、でもまずは鉄道を繋ごうぜ! で、クライマックスにはインディアンと地権者と労働者達のぐじゃぐじゃの決闘(「天国の門」か、みたいな)があって、ものすごいったら。

でも、これは血と汗と涙で勝ちとった成功物語、勝者の物語というより、見るべきなのは馬でも牛でも鉄道でも人でも動くもの全てを総動員して、地面を掘って這って踏んばってとにかく西に、或いは東に向かおうとするその愚直なまでの動きの強さ、そこに立ちのぼる蒸気のすごさなんだと思う。 だってDaveは二本指をやっつけたあと、こんどはCentral Pacificのほうに行って手伝うんだよ。 働きすぎよあんた。

こうして、機関車”#116”と機関車”Jupiter”(英語字幕には、映っている機関車はほんもんのです、てあったけど、ほんとは違うんだってね)が東からと西からでこんにちはして、 合衆国は線で繋がってひとつの国になったのです。 ぱちぱちぱち。 それにしても、29歳でこんなの撮るか - John Ford。

2011年に出たこれの英国盤DVDには米国版(150分)と英国版(133分一部別テイク)に加え、Tag Gallagher先生のvideo essayがついているって。 見たいなー。

この作品でアメリカというものができて人がしっかりと立ちあがってしまったので、そこからさらに“Kentucky Pride” (1925)では、ここはお馬さんの国でもあるんだよ、て言って、さらに“The Shamrock Handicap” (1926)ではアイリッシュとお馬さん、の映画も作ってしまったのだね。


あんま関係ありませんが、米国で働いていたとき、よくクッキーを焼いて職場に持ってきてくれたおばあさん - 彼女がリタイアしてから会う機会はなかったけど - が先日亡くなられました。アメリカのクッキーのほんもんの深さ凄まじさを教えてくれたのは彼女でした。 
ご冥福をお祈りします。 おいしいクッキーをありがとうJoy ...

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