4.06.2012

[film] The Help (2011)

日曜日に新宿で見ました。
ここんとこ荒んだお話が続いていたので、少しは暖かめのやつを見ておこうと。
邦題は『ザ・ヘルプ 心がつなぐストーリー』だし、そうこなくちゃね、とか。

前日の"Take Shelter"からだとアメリカ南部つながり、あと、Jessica Chastainつながりでもある。

んでも、あんまし心がつながっていく話しでもなかった気がする。
むしろ、心は思うようにつながっていかなくて、それ故に追い詰められた心と心がぽつんぽつんと立ち上がっていく、そんなお話だった。
主人公は、白人階級のお友達サークルに馴染めないSkeeter(Emma Stone)ではなく、最後にたったひとりで遠くにすたすた歩いていくAibileen (Viola Davis)で、Skeeterはたんに彼女の背中を押してあげただけだったような。

物語も、真面目に深刻に当時の、南部の人種差別問題を抉っていく、というよりは(それがベースにあることはもちろんだが)、どちらかというといくつかの隣同士コミュニティやサークルの間で繰り広げられるやったりやられたりやり返したり、というそのどったんばったんのやりとりとそのおもしろさが中心にあったような気がした。 朝の連続TV小説のようなかんじ、もしないでもない。

こういう、無垢で無邪気な白人が突然黒人コミュニティに入っていったときに巻き起こるあれこれを題材にした映画(或いは、白人社会から落ちこぼれた白人が異人種である黒人のピュアで美しいなにかとか才能とかに触れて救われる、という構図)は、ここ数年でも"The Secret Life of Bees" (2008)とか、(ちょっと違うかもだけど)"Cadillac Records" (2008)とか、いろいろあって、そういうのが映画の題材になる、ということはつまり、まだまだ壁とか溝はあるのかなあ、とかぼんやり思う(まだたった50年くらい前の話なんだよ)。 

と同時に、でも、ここで描かれた不理解や不寛容て、決してあの時代のあの場所に特有のなんかではぜんぜんないよねえ、とかこの国の「一般市民」の被災者の子供たちへの対応とか見ていると思うし、この映画のなかの"The Help"という本ではき出されたなにかは、現在のTwitterに置き換わって、でもやはりはき出されるばかりで結局のとこなんも変わることはない(不寛容なバカの数はへらない)、とか。

でもそんなこと考えなくても俳優さんがみんな素敵なのですいすい見れて楽しい。

善玉と悪玉がちゃんと分かれてて、Emma StoneにJessica ChastainにSissy Spacek、すきな人達はみんなちゃんと善玉側にいて、悪玉の筆頭、Bryce Dallas Howardさんは"50/50"に続いて震えるくらいやな女をつーんと演じていてすごいの。

Emma Stoneさんもよいなあ。おしゃべりで頭もよくて正義感もある、けど周りにはっきりとNoを言えないちょっと入り組んだ役を嫌味なくさらりと演じている。

音楽は地味によくて、Johnny CashにFrankie ValliにBo DiddleyにBob Dylan、などなど。
そしてラストのMary J. Blige 〜 Mavis Staplesがタイトにじーんとはまるの。

あとねえ、おいしいSouthern Fried Chickenて、ほんとにほんとに地獄のようにおいしいんだよ。
KFCのフライドチキンて、あれは日本のだからね。

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