4.19.2012

[film] Damsels In Distress (2011)

"Turn Me On, Dammit!"の後で、そのまま横に流れて、SunshineでWhit Stillmanの10数年ぶりの新作を見る。  女の子映画つづき。

大学にいる仲良し3人組の娘さんがいて、そこに新入生 (Analeigh Tipton - "Crazy, Stupid, Love."のJessicaさん) がきて、彼女に自分たちのサークルに入りましょう!ていうの。 
彼女たちは自殺防止サークルみたいのをやっていて、自殺防止にはドーナツとダンスが有効だと信じていて、ほかにもものすごくいろんな定説とか信条みたいのがあって、べらべらべら止むことなくそういうのをおしゃべりしている。

その内容とかそのもっともらしさとか、そういうのをいちいち言ってもしょうがなくて、彼女たちの高慢ちきで鼻持ちならない話し方とかふるまいとか、同様に彼女たちの周りに出てくる男たちの見栄っ張りでせこくてぼんくらなとことか、そういうのをあれこれつっついてもしょうがなくて、勿論そういう、誰が何を言ってこうなった - みたいのをきちきち紐解いていけば、作品のベースにあるかもしれない世界観みたいのも明らかになるのかもしれないが、そういうのはこの作品のありようとは別のなんかのような気がする。

むしろ、そういうのにいちいち眉間にしわ寄せてきりきりあたふたしている彼女たちの表情とか、そういうのをぶつぶつ言いあいながら緑の光できらきらした小道をすたすた歩いていく4人の眩しさとか、そういう青春のあれこれ、を見るべきなんだろうな。

なかでもとにかく、サークルの真ん中にいるGreta Gerwigのとんでもねえ面白さときたら。
 "Greenberg"でも変な娘さんだったけど、ここでも相当へんなひとをほんとに普通の佇まいで堂々と演じている。
所謂不思議ちゃんとかただのあばずれだったらわかりやすいのに、そういうのではない、単純になにを考えているのか、なにを抱えているのかわからない予測不能な、それこそ女の子としか言いようのない挙動の、(男子からみたときの)勝ち目のない揺るぎなさ - ひとによってはそれをMuseと呼んでくらくらしてしまうかもしれない佇まいに釘づけになる。 よくもわるくも。

で、そんな彼女に踊るのよ! と言われたらもう踊るしかない。 
タップにアステア、最後に出てくるSambola(はやるとはおもえないねえ...)、とかいうよくわかんないやつ。

1937年の"A Damsel in Distress"でアステアとコンビを組んだJoan FontaineとGreta Gerwigて、ちょっとだけかんじが似ているのだが、どうかしら。

とにかくねえ、女の子が素敵なファッションで、おしゃべりしたり、眉をひそめたり、ぞろぞろ歩いたり、怒ったり泣いたり、最後にステップを踏んでくるくる回る、それだけで十分に映画になってしまう、ということの驚異が、単純な驚きがここにはあるの。
そして、ロメールの映画にあった、よくわかんないまま、ずるずる引き摺りまわされてしまう快楽も確かに。 映画観に座って、見て聴いているだけで、ひたすらだらだら心地よいの。

Analeigh Tiptonさんもチャーミングでねえ。 あの目のでっかくて素敵なこと。

音楽は、Mark Suozzo & Adam Schlesinger (FOW) でちょっとレトロなサロンミュージックみたいなのがチャーミングだった。


この後、晩にはHBOの"Girls"のプレミアでも見ればある意味パーフェクトだったのだが、ホテルにはHBOが入っていなかったので、Brooklynにご飯食べにいった。 (で帰りに地下鉄がなくて戻るのに1時間以上かかって - )

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