11.30.2019

[film] Jay and Silent Bob Reboot (2019)

27日、水曜日の晩、小津の『晩春』を見た後に続けて同じシアターで見ました。小津のUniverseからKevin SmithのUniverseへ。
公開前のプレビューで、チケットはあっという間に売り切れ、翌日もPrince Charles Cinemaでも同様の集いがある。 『晩春』を見終えて外に出ると、廊下で囲まれたKevin Smithがサインしていて、その周りに彼とかJayのコスプレ(っていうの?)をした連中がうじゃうじゃ歩いている。英国で彼(ら)がこんなに人気があるなんて誰が想像できようか。

前作 - “Jay and Silent Bob Strike Back” (2001)から18年ぶりの続き、最初に話を聞いたときは、前作なんてもう憶えてねーよ、ていうのと、憶えてなくても、ま、かんけーねえよな、というのが同時に来て、でも見た後で、まったく予測していなかったのだがこれってひょっとして傑作って言ってよいできではないか、とか。(..と書いておいて少し自信なくなり)傑作と言わないまでも、Kevin Smithの25年間が凝縮されたスケールのでっかいやつで、”Reboot”の名に相応しいやつ、というか。

でもにっぽんに、Kevin SmithとかView Askewniverseのことを書いてうんうん喜んでくれる人って何人くらいいるのだろう? 
100人くらい?

映画館でのKevin Smithの上映前挨拶 - これまで彼の挨拶はSkypeで何度か見たことあったのだが実物は初めてだったかも。どっちにしてもものすごい勢いでべらべらべらべら。これまで米国での公開では初日から後ろに座って客の反応をずっと見てきたので今度のは最高だって十分確信している、みんな見ろ! これが90’s だ!!(大拍手)。 はいはい。

Kevin Smithが現れただけで熱狂する観客、場面ごとで登場するひとりひとりにおおー、とかわー、とかいちいち拍手してばかり、そんな観客が喜ぶネタ満載なので、どこまで書いてよいのか悩ましいのだが、これはMarvel Universeと同じような(一応Stan Leeも出てくるの。ほんとはちゃんとした役があったらしいのだが..)、View Askewniverseていう世界の話で、冒頭は“Clerks” (1994)のあれだし、Mallrats (1995)もあるし、更にびっくりしたことには”Chasing Amy”(1997) まで..

大筋は権利関係でだまされてJay and Silent Bobの名前を使えなくなったふたりが勝手に使われるのを阻止すべくNJからLAで開かれるコンベンション- Chronic-Conに向かおうとして、その途中に立ち寄ったシカゴで、Jay (Jason Mewes)は前の彼女からMillennium Faulken (Harley Quinn Smith – Kevinの実娘)ていう娘がいることを知らされ、その娘(彼女はJayが父であることを知らない)からは彼女の友達 – みんな父親を知らない女の子たちで移民の子だったり – も一緒にLAに行くようにせがまれてみんなで一緒にLAに。

で、この流れにView Askewniverseの面々、誰がCameoなのかそうじゃないのかなんてどうでもいいかんじで、Ben AffleckにMatt Damonはもちろん、Method Man and Redman, Craig Robinson,  Justin Long, Chris Hemsworth, Val Kilmer, Rosario Dawson, Fred Armisen, Molly Shannon, Jason Biggsなどなど、90’sオールスターみたいにゴージャス(見るひとが見れば)なお祭りが。

映画で語られるキャラクター(スーパーヒーロー)とか善悪の彼岸がクロニクルとかサーガといったでっかい物語単位とその数年おきのRebootで回転する仕組み(& マーケティングの場としてのコンベンション)になっているここ数年と、足下におけるレイシズムやヘイト、カルトや移民の問題の顕在化はどこかで繋がっているのではないか、て思ったりしていたら見事にその辺をぜんぶ盛ってきて、そこに既に亡霊なのかもしれない90’sのオタクのメンタリティをしらーっとぶつけてみる、と。(彼のホラー”Red State” (2011)で既にそういう方向性はあったけど)

音楽は基本90’sの、でも思いだせる出せないの境目にあるものすごく微妙なのががんがん流れてきて、あーこれ何だったっけ、て呻いていると次に行ってしまう。ラストに流れるPearl Jamの”Daughter” (1993)がとっても生々しくてよくて。

上映後のKevin SmithとのQ&Aはひとつの質問について10分くらいべらべら喋りまくり、結果的に で、質問はなんだっけ? になってしまうのが3回くらい。

とにかく最初は”Clerks III”を作ろうとして、更に”Mallrats 2”も作ろうとしたのだがどっちも頓挫したのでこれを作ったのだ、と(その経緯が森のようにこんがらがっててものすごい)。なので冒頭のシーンとかは”Clerks III”に使うはずのものだったそう。 でも次はぜったい”Clerks III”だから、それから”Mallrats 2”もやるから、とのこと。

昨年の春にHeart Attackをくらってveganになって体重も減らして、いまは蘇って絶好調らしいのでがんがん行ってほしいわ。

今年はもうあと1ヶ月でいってしまうのねえ。

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