11.18.2019

[film] Du Barry Was a Lady (1943)

10月22日、火曜日の晩、BFIのMusicals! 特集で見ました。(もう、ぜんぜん行けてないの)
邦題は『デュバリイは貴婦人』。1939年のブロードウェイ(この後ウェストエンドにも行った)

ミュージカルの映画版。音楽はCole Porter。上映は35mmのTechnicolor dye transfer printというやつで、技術的にどういうのかはわかんないのだが、簡単にいうと、40-50年代のVogueとかHarper’sとかファッション誌のカラーグラビアの色味と豊かさがそのままスクリーンで絵巻物のように動き出すマジック。 見ているだけでため息、てやつ。 今のデジタル技術の限界って、こういうのを見たときに、デジタルだったらこうなるだろう、ていうのが容易に想像できてしまうことよね。

上映前にBBCが制作した5分くらいのショート“Busby Berkeleyland”が流れる。今回の”Musicals!”特集のプログラマーRobin Baker氏(彼、いろんな上映の前にいっぱい出てきて前説している)がガイドするBusby Berkeleyの世界。”42nd Street” (1933),  “Footlight Parade”(1933), “Gold Diggers of 1933” (1933)を中心にスペクタクルとセックスの導入でいかにミュージカルの世界に革新をもたらしたか、後世の作品 - “The Big Lebowski” (1998)とかを例に加えながら解説してくれる。

ナイトクラブの歌姫May(Lucille Ball)がいて、Tommy Dorsey(本人)のオーケストラで歌いまくり、前半はそこのナイトクラブの芸人たちの演芸大会で、Alec (Gene Kelly)の歌と踊りとかMayに想いを寄せるクラークの受付のLouis (Red Skelton)の紹介がある。 で、Louisが突然宝くじに大当たりして、お金持ちに弱いMayはそっちになびくようなのでAlecは、ちぇっ、てなると舞台は突然18世紀のフランスにスリップしてLouisはルイ15世に、MayはMadame Du Barryに、AlecはThe Black Arrowっていう盗賊頭みたいのになっていて、どんちゃかがあって..

ほんとたわいないすっとこラブストーリーなのだが、そっちよりもお正月映画(←死語)みたいなハリボテ感満載の豪華絢爛さがたまんなかった。 Gene Kellyも若さたっぷりでくるくるだし。

I Love Melvin (1953)

10月29日、火曜日の晩、これもBFIのMusicals!特集で。これも35mmのTechnicolor dye transfer printでの上映。
“I Love Melvins” だったらわかるけどな。

この前の年、”Singin' in the Rain” (1952)を当てたMGMが、あそこのトリオのうちの2人を使ったミュージカル。

駆け出しで端役しか貰えない女優のJudy (Debbie Reynolds)は将来はきらきらの大スターを夢見ているのだが、実際にはフットボールのお芝居でフットボールの役をさせられてよってたかって蹴られたり飛ばされたりひどい扱い(今ならぜったい上演不可)を受けてて、ある日公園でMelvin (Donald O'Connor)とぶつかって、Look magazineのカメラのアシスタントをしている彼はJudyに近寄りたいばっかりに雑誌の表紙にするから、って撮影デートに誘って(これも今ならコンプラ..)仲良くなっていくのだが、やがてその嘘がばれて.. 。

ストーリーは勿論ハッピーエンドでなかなか無理があるかんじなのだが、原田治の描いた50年代アメリカンのボーイズ&ガールズそのままみたいなふたりが歌って踊るのはとっても楽しくて、それだけでいかった。

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