2.28.2018

[film] Me Without You (2001)

バカみたいに忙しいしありえないくらいに寒くて凍えるし、用事で外にでれば雪吹雪で遭難しそうになって、帰り道は凍っててすっ転ぶし。なんなのロンドン..

17日土曜日の夕方、BFIで見ました。
夏頃からStephen King – Thriler - Bergmanとおっかない冷たい暗いのが続いていたここの特集上映であるが、2 - 3月に行われる”Girlfriends”っていう、その名の通り女の子同士の映画特集になって、ようやく春がきたかなー、っていうかんじ。まだぜんぜん寒いけど。

このページにある特集の予告だけでも見てみて。

https://whatson.bfi.org.uk/Online/default.asp?BOparam::WScontent::loadArticle::permalink=girlfriends2018

最近のだけじゃなくてサイレントの時代のコメディから取りあげていて、更に本編上映の前には同様に女の子たちをテーマにした短編(これも古いのから新しいのまで)を流してくれて、このテーマの幅の広さと普遍性を教えてくれる。

1973年、英国のBrightonのあたり、Holly (Michelle Williams) とMarina (Anna Friel)のふたりがまだ洟たれのガキだった頃からはじまって、Jewishで割と堅めのおうちの黒髪のHollyとママも兄も割と自由奔放でだらだらしがちな金髪のMarinaの70年代、80年代から01年まで、5つの時代で切って追っかけていく。運命がふたりを… とか奇跡がふたりを… とかそんなしゃらくせえのなしで、ただどこにでもありそうな、だれにでもあったかもしれないその時代時代のふたりの生きっぷり - “There's no me without you!” - 萎みっぷり騒ぎっぷりの栄枯盛衰を描いていくだけで、でもものすごくおもしろくて、音楽とかファッションとかたまんないの。

78年はパンクが吹き荒れる英国だし、生意気盛りの高校生くらいなので、ふたりでいろんなのを吸っては飲んでゲロして意識失って誰それとくっついたり離れたり床で寝たり、それで後悔して泣いて抱き合って、が延々続く。いいかげん飽きれば、とか思うけど動物なので学ばないし飽きないし、そんな時代。The Only Onesの”Another Girl Another Planet”が流れるだけでなにもかも許す。

次の章、海沿いにEcho& the Bunnymenの”The Cutter”が荘厳に鳴り響いて始まる82年(鳥肌。 ちょっと残念なのは”Porcupine”て83年なのよ。べつにいいけど。)にふたりは大学生で、大学でポスト構造主義だか記号論だかの講師をしている - 黒板にBaudrillardとかKristevaの名前が見える - Kyle MacLachlanをふたりで(互いに知らずに)取りあい、どんちゃん騒ぎしては落ちこんで喧嘩して、を繰り返す。そして、こういった繰り返してばかり、についてもうんざりして絶望する。
ここはねえ、二人がどうっていうのもあるけど、あれよ、『東京ガールズブラボー』で主人公が東京に憧れるあれ、と同じかそれ以上に強く憧れていたあの時代の英国、がぜんぶ並んで畳みかけてくるので溜息しか出てこない。あーもう一回生まれなおしたい、とか。あんな黒い服着てあんな人たちが蠢くフロアであんなふうに鳴る” Kings of the Wild Frontier”とか” Nag Nag Nag”とか”Just Can't Get Enough”、聴いて踊りたかったなー。

その次は追憶の89年で、更にどっちもどっちでぐだぐだになって誰にどうすることもできないのであるが、82年 → 89年ていう切り取りかたはおみごととしか言いようがない。 ここ、90年代に入るとちょっと違ってきちゃうからこうしたのだとしか思えないわ。

というようなふたりそれぞれにくっきりと現れる恋愛のありよう、その変遷を追う、ていうのもあるけど、単にふたりのファッションがほんとにたまんなくよくて、それを纏ったふたりがきーきー泣いたり叫んだりしているだけで、もうさいこう、になるの。

Romy and Michele's High School Reunion (1997)

同じ17日の晩、”Me Without You”に続けて見た。これもBFIの”Girlfriends”の特集。
この作品、13日(Valentine’sの前日)の晩に”Galentine’s Day Special”ていうイベントがあって、そこで上映後に関係者のSkype Q&Aと、その後に別部屋でProm Partyていうのがあったのだが、ちょっとこわそうだったのでやめた。

ストーリーはいいよね。 こんなのクラシック認定きまってるし。

ユタの高校を卒業して10年、LAでRomy (Mira Sorvino)は窓口事務して、Michele (Lisa Kudrow) はぷーで、一緒に暮らしながら未だにバカなことを夢みてぶいぶいしていて、そんなある日、高校の同窓会があることを知るのだが、でも行くんだったら成功しているとこ見せて見返してやりたいよね、ってめちゃくちゃかっこつけてストーリーも考えていくのだが、端からぼろぼろ裏目にでて全滅で、でもからからちっともへこたれなくて最高なのよ。

この作品、どこを切っても名台詞だらけなのだが、やっぱし、“We have come all this way, now we are going to enjoy ourselves whether you like it or not!” よね。

ふたり+ Alan Cummingが “Time After Time” に合わせて踊るシーンのコレオグラフィ、すばらしいよね。
80年代の終わりにぶいぶいだった子達が90年代の終わりにはこんなふうになった、という角度から見ることもできて、その辺の盛衰を的確に物語るのがNo Doubtの”Just a Girl” だったりするのかしらん、とか。

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