2.13.2018

[music] This is Not This Heat

なんとかのFundraisingライブの2日め、10日の土曜日の晩、同じくCafe OTOで。
ちなみにお代はこっちが£30で、9日のは£20で、こっちのはあっというまに売り切れていた。
この二日間、音の傾向は違うかもだけど、Henry CowとSlap HappyとThis Heatって、自分のなかではまったく違和感なく繋がっている。 説明すると長くなるからここではやんないけど。

昨年の3月にBarbicanでやったライブにも行ってて、あの編成と音量をこの小屋で再現したら付近一帯建物ごと吹っ飛んでしまうのではないかと思ったのだが、編成は昨年の14名から7名の半分になっていた。
女性コーラス3人はいないし、Thurston Mooreもいないし。

オールスタンディングかも、と聞いていたのでドアが開く7時半に行っても座れないならどうでもいいや、ってゆっくりめに行ったら、7時半にはまだ開いてなくて、大音量でサウンドチェックやってた(建物がぼろくて緩いのでだだ漏れしてて、あれなら別にチケット買わなくても...)。
中に入ってみると椅子も少しはあって、端っこに座れた。

前座はなしで8:40くらいにエレクトロとバイオリンと絶叫担当の女性が機械に灯を入れて、”Test Card”のぴりぴろりーが鳴りだして、そこから約10分間放置され、音波煙が行き渡ったあたりで全員現れて、せーので”Horizontal Hold”の頭の一撃が放たれて、そこはじゅうぶん予期できるのですこし息を止めて踏ん張ってみたのだが微妙にそのタイミングがずれて側頭葉と心臓を直撃した、気がして一瞬気が遠くなって、でもなんとか持ちこたえる。

全体にお祭りモードだった気がする昨年のに対して、今度のはサイズもあるし至近距離であるせいか、すべての音がけたたましく、バランス悪く、ジャンクにがたがたと町工場のエンドレスな轟音のように鳴っていて、音の隙間ができるとそこを2名のパーカッション(昨年のもうひとりはChris Cutlerさんだったが今年はちがう)とコーラスになっていない声のような絶叫のようなのが埋めに入って、とにかく落ち着きなく止まらない。

ただ、インダストリアルみたいな大規模轟音ノイズには向かわず、この騒音はあくまで町工場のそれで、布や金属を引っ叩き、弦を引っ掻き、菅を吹き鳴らして、それらの音を束ねて増幅させて散らす、そのアナログな手工業構成こそがThis Heatという3人構成で始まったバンドの生業なのだろう、と思った。

最後の”24 Track Loop” 〜 “Health and Efficiency”は、昨年と演奏の順番が逆だったが、こっちの方がよくて、狂って壊れたテクノ・ファンクみたいなののループが、「健康と効率」というタイトルの疾患・故障まみれの機械の運動に収斂されていく様はスリリングで、“Health and Efficiency”を初めて聴いたとき(高校生だったわ)のなんじゃこれは? の衝撃がまざまざと蘇ってくるのだった。 そしてこれも止まんなくて、10分以上続いたの。

約100分、アンコールなし、久々に耳がやられた、すばらしく凝縮された時間だった。

Fundraisingの3日目のは、:zoviet:france: ていうよく知らないやつで、共演のRon Geesinさんだけ少し聴きたかったが、どっちにしても売り切れていたので諦めた。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。