6.06.2017

[film] Wonder Woman (2017)

4日の日曜日の午後、BFIの3D IMAXでみました。
さすがにLondon Bridge周辺の地下鉄・バスは動いていなかったが、手前のEmbankmentの駅までは行くことができた。
待望の、と言ってよいだろう。 前夜のテロのニュースの生々しさがぐるぐる回っているところで、こういう映画を見たところで気休めになるとも思えなかったが、でもどっちにしたって見てきたんだし見るんだから、楽しみにしてたんだから、と行った。

行ってよかった。 ある意味どまんなかだった。

現代、ルーブルで学芸員として働く(学芸員なめんなよ)Diana (Gal Gadot)がBruce Wayneからの荷物を受け取ると、そこには第一次大戦の頃の古い写真があって、話はこの頃に遡る。

人類から隔離された島で女性ばかりのアマゾン族の姫として武芸をばりばり叩き込まれて大きくなったDianaがどこからか飛行機ごと落ちてきた英国情報部の Steve Trevor (Chris Pine)を助けて、彼から戦争の渦中にある世界(ヨーロッパ)のことを知り、この背後にいるのは我々の宿敵 - 悪の神Aresだ、わたしが行って彼の暴走と戦争を止めねば、と周囲の制止を聞かずにSteveと共に彼の地に行って、ガス兵器の開発を進めるドイツ軍に立ち向かうの。

ぴかぴかに綺麗で美人で、でもめっぽう強くて、でも世の中とか恋愛のことについては知らなすぎて無邪気で(数十か国語に堪能なのに歴史とか戦争のことは一切しらない、なんてありうるのか、とか)、でもどこまでも正義正論で突っ走ろうとする彼女のことをジェンダー観点で都合よすぎ、とか作り過ぎ、ていうのは簡単なのだが、簡単すぎるのでそんなのはどうでもいいの。
かっこいいんだから。 かっこよければなんだっていい、とこの際だから言ってやれ。

彼女が泥沼の戦場でたったひとり立ちあがって唖然とする男たちを後目に敵のフロントに突っ込んでいくシーンの見事さ、ここだけ、これがあるだけで十分、ていうくらい。

悪の神はいなくなったはずなのになぜ人は殺し合うことを止めないのか? みんな苦しんでいるじゃないか? という彼女の問いにまともに答えられないSteve Trevor。 こっち側の我々はこの問いに(どっかの大統領みたいに)他人のせいにしないで答えられるようにならないといけないんだ。

Captain Americaが同様に過去の大戦に起点を置いて、それによって現代とのリンクを - ずっと続いている戦争の歴史との連続性(とその正当性)を保持しようとして、でも彼って結局のとこアメリカ軍じゃん、になってしまうのに対し、こっちも同じ大戦始まりだけど、ギリシャ神話(でもてきとー)の頃からだからこっちのがロジックも含めて強そうに見える。 
神の国から来た、というとこでThorと比べてみてもどうでもいいお家騒動で弾かれたり穢れたりしてないぶん、素敵に見えるわ。
別にだからといってDCの世界がよい、てわけでもないのだが。

映画として弱いとこはいっぱいあって、Steveとのロマンスの描きかたが半端で後に活きてこないし、Steveが組織した愚連隊のキャラも面白そうなのにあんま活きてこないし、雪のシーンだって、あそこでたっぷり盛りあげないでどうするよ、だし。

でもこれは世界中の女の子を「あたしあんなふうになりたい!」 て熱狂させるためのプロパガンダ映画で、それでいいんだと思うし、それができているからいいんじゃないか、って。

(AvengersのBlack WidowもScarlet Witchもつまるとこ男社会が作り出した兵器、じゃん)

アマゾン族からあと10人くらい引っ張ってくればいいのに。 そうしたら世界は変わるのに。

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