6.14.2017

[film] Angel Heart (1987)

昨晩1時過ぎ、外をずっとヘリのようなのが低空で飛んでいてなんだろ? と思っていたのだが、朝起きたら窓の向こう、遠くで煙が高く上がっていた。 家を失った人たち、離れ離れになっている人たち、病院で苦しんでいる人たちが一刻も早く救われますように。


11日の夕方、Price Charles Cinemaで見ました。 "The Mummy"のあとだったので、いちにち呪われっぱなしだったことになる。
これも30周年記念Screeningで、上映後にSir Alan Parker(..Sirなんだ)とのQ&Aがついてる。

これ、実は初見で、公開当時は大量の牛の血、とか心臓ごろん、とか宣伝を聞いただけでだめだったの。
30年経てば見れるようになる、と。

1955年、NYで私立探偵をしているHarry Angel (Mickey Rourke)が Louis Cyphre (Robert De Niro)ていう怪しげな金持ちぽい男から “Johnny Favorite"- 本名 Jonathan Liebling という男が生きているのか死んでいるのかを含めて突きとめてほしい、と請われて、最後の痕跡があったアップステートの病院に行って担当だった医者を突きとめるのだが、その直後に医者が死んでいるのを見つけ、こいつはぜったいやばいから抜ける、と Cyphreに言うのだがお金を積まれたので続けることにして、こんどはNew Orleansでかつてのバンド仲間や恋人 Margaret (Charlotte Rampling)などをあたっていくのだが、彼らもひとり、またひとりと陰惨な殺され方で転がっていって、いいかげんJohnny Favoriteは何者なのか、彼を探すことがなんでそんなにやばいのか、が大きな疑問として沸きあがってきて、そこにNew Orleansの湿気とか雨とかヴードゥーとかがぼうぼう降りてきて押し潰そうとする。

途中でなんとなくネタはわかってしまう(30年..)のだが、戦後の閉塞感のなかで音楽と宗教とカルトが、大都市の喧騒と南部都市の埃が、路地裏や階段、換気扇を抜けていく光や風が渾然となって魔術の、呪いのイメージを吹きつけてくる、その強さと臭みに圧倒される。 それは、それなしではやっていけない何か - 音楽であり宗教であり、悪魔の場合だと、彼らがどんなふうに人を - 天使の心臓すらも - 支配して囲っていくのかを語る。

Mickey Rourkeの落ち着いたり狂犬になったりのじたばたもRobert De Niroの不敵な猫のように丸っこい(茹で卵)演技もひたすらこれらの禍々しさの淵にどす黒く居座っていて、とにかくおっかない。 意味なく理由なく禍々しくそこらにいる、ていうのがそもそも悪魔、なんだよね。

"Fragile"のピアノの音が聴こえてきた気がしたのだが、関係はないのかしら(New Orleans)。

上映後のAlan Parker監督とのQ&Aは聞き手が相当マニアックなかんじのひとで制作プロセスのことばかりをねちねち聞いてて、監督もいちいち丁寧に答えたりするもんだから、ふつーの人にはなかなか退屈で眠くて、途中で抜けてしまった。

"Midnight Express" (1978)の話になったとき、最大の難関は脚本のOliver Stoneだった、人間的には最悪で、でも最高の脚本を仕上げてきた、ていうのと、"Pink Floyd – The Wall" (1982)では、それがそっくりそのままRoger Watersに変わった、とか。 Bob Geldof が泳げなくて大変だった、とか。


ところで日本はもう終わりなのね。 くそったれ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。