2.01.2017

[log] February 01 2017

そんなことより昨晩のPJ Harveyである。 出発の前日にライブがあるのを先週チケットを取りにいって知って(← バカ)愕然としたわけだが、問答無用だった。 これから彼女の君臨する国で、あの音が轟いて鳴る国でしばらく暮らすことになるんだわ。

とにかくこうして、ここ一週間は倒れるわけにいかないのでくしゃみをすれば葛根湯、悪寒がすれば葛根湯、の粉まみれ生活で乗りきって、なんとか体ひとつだけは羽田のラウンジに持ってくることができたわけだが、ぜったい取り返しのつかないなにかを忘れている、ぜったい。という疑念が渦まいているのと、いつもの出張のように帰国してからのことを気にしなくていい清々したかんじが入り交じって、でもぜんたいとしては、とにかくそこらの棺桶に入って穏やかに落ちたい。

過去の海外転勤で同様のじたばたは二回やっているはずなのだが、その記憶はごっそり抜けていてどこを掘っても出てこないので、よっぽど思い出したくないなんかだったのだろう、と今回のお片付けをしながら改めておもった。 本もレコードも映画のチラシですら、それがその時のあの場所にいた自分の生に関わったなにかであったものだからそう簡単に置いていくことなんてできないの。 よくインテリア系の雑誌に出ているできるだけモノを持たずに暮らしたいのです、みたいな人っているのかよほんとに、てそっちのほうに噛みついてみたり。

で、結局ある容量とかサイズ - 段ボール4箱分とか - なんとなく - で切ってしまうしかなくて、そこで増やしたり減らしたり寄せたり、そういうとこにいちばん時間を取られて、あとは万が一のときの保険のために数を数えたり、何を持っていくのかは割と簡単に決まるけど、どう持っていくのかが面倒なのね。 これとあとは慈悲もくそもなく流れていって止まらない時間の時間ぎれで、蓋は閉じるし扉は閉まるし。 どこかに天国の門はあるのか。

本でいうと大型の画集とか写真集のずっと手元に置いているやつと、単行本だとずっとだらだら読めるように分厚いやつ - 映画のだとルビッチのとキューカーのと溝口のとメカスのとワイズマンのと、絵画のだとサイモン・シャーマとアガンベンと、水先案内本としてレイモンド・ウイリアムズとテリー・イーグルトンと、文庫本は英国関係 - シェイクスピアごっそりと小説ばかり(「カンタベリー物語」はどこいった?)、漫画は散々悩んで諦めて、こないだ買ったばかりで読んでいない谷崎万華鏡と夢十夜だけ入れた。 CDはほんと少なくて、最近リマスターされたスタンダードな名盤みたいのとベスト盤と。 12inchは7箱、7inchは2.5箱、そのうちどーしてもやっぱりあれが、が出てきたら戻ってきて掘り返せばいいか、と。

気分を盛りあげるために荷物つめの間にかけていたのはこんなの;

- Kirsty MacColl  “New England”
- XTC “English Settlement”  の最初のほう
- David Bowie “Low”のA面、その他いろいろ
- Elvis Costello “London's Brilliant Parade”
- The Smiths  “Panic” その他いろいろ
- The Clash  “(White Man) In Hammersmith Palais”
- The Jam  “In the City”
- The Kinks “Lola Versus Powerman and the Moneygoround, Part One” その他いろいろ
- The Fall  -  なんでも。

“London Calling”とか”Anarchy in the UK”はやっぱりちょっとはずかしすぎる。

ところで、そういえば、”The Fragile: Deviations 1” は結局間に合わなかった。

べつにひとところにずうっといたって揺れるし漂うし動くし鼓笛隊は進んで旅は続くんだねえ、と昨晩のライブを見てて思って、でもちょっとした場所の違い、席の横移動はあって、今度のもそういうのだから楽しんできましょう、ておもった。 し、ここ数週間のごたごたを見てて「国」って(どこであろうが)もう相当どうしようもないとこまで来ているんだなあ、ておもった。し。

ではまた。

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