2.25.2017

[film] Do You Own the Dançefloor? (2015)

23日の晩、SohoのCurzonで見ました。 これも一回きり上映で、理由はよくわからず。

82年にFactoryのオーナー Tony WilsonがFactory製品番号51として、シチュアシオニストのIvan Chtcheglovの文章 "The Hacienda Must Be Built”より名付けられたマンチェスターのクラブ、踊り場 - The Haçienda。 NYのStudio 54と並んで20世紀の伝説、象徴的なダンス遺産をめぐるドキュメンタリー なのかな、と。 上映後のQ&Aに設計者であるBen KellyとレジデントDJだったDave Haslamが来るというしさ。

自分が踊るの特に好きというわけでもないし、レイブカルチャーに特別な思いや関心があるわけでもないのだが、New OrderがThe SmithsがThe FallがStone RosesがHappy Mondaysがライブをしたこの小屋は、80年代に洋楽を聴いていた子羊にとっては神が舞い降りる - "24 Hour Party People"にあったように - 場所としか思えなくて、いつか行ってみたいなー、だったのだが97年になくなって、Tony Wilsonもなくなって、あそこにはもうなんもないよね、たぶん。

ドキュメンタリー目線で当時の建物や集まってきた人たちをかき集めて当時の熱狂や栄枯盛衰を総括する - のではぜんぜんなかった。

もちろん始めのほうはどういう建物で、どんなエントランスで中に入るとどんなだったかが当時の証言や記録映像をもとに綴られていくのだが、メインはその後のほう。建物が解体された際のパーツ - ひとによってはゴミ - をオークションとかで買って集めて自分のものにしている人たちのお話になって、なかなかびっくりした。 タイトルはそういうことなのか、と。

アートコレクターなんてそういうもんだろうし、いろんな部品とか廃品を集める鉄道とか乗り物好きもそういうようなもんだろうし、この人たちを特別変だとは思わないのだが、連中はレンガとか、フロアの床板の欠片とか、杭とか、DJブース(でっかいただの木箱)とか、洗面台とか、みんなそういうのを嬉々としてオークションで競り落として、おうちの神棚(みたいなとこ)に飾ったり、立てかけたり庭や壁に埋め込んで大喜びしている。ほんとに極上の笑顔で。
というような、変な方にいっちゃった人たちを映画は次々と追って繋いでいくのだが、なんかどいつもこいつもめちゃくちゃおかしいの。 後半、場内はずっと爆笑の渦で、あの英語(マンチェスターの英語)がもう少しわかったら更におかしいんだろうなーと思いつつ、それでも十分変だし、おかしいよ君たち。 彼らにとって、Haçiendaは本当に大切な生を生きることができたかけがえのない場所だった、とみんな同様に語っていて、それはわかるんだけど、でもそれがレンガにいくの? 板切れなの? って。

でもこれが造園を愛する国のイギリス人なんだよね、て思えてしまう愛に溢れた映画で、なんかよかったかも。
Q&Aコーナーはぜんぜん質問になってない、なんとしても当時の熱狂を語りたがる酔っ払いみたいな連中がわーわー言ってるばかりでこちらもしょうもないのだった。

音楽は権利関係が面倒だったのかお金がなかったのか、Haçiendaでかかっていたような音は一切かからない。New Orderくらい使わせてあげればよかったのに。

それにしてもPeter Hookってほんとしょうもない詐欺師やろうだよね。(褒めてるの)
あ、3月1日にCurzonの別の場所で上映会とQ&Aがあって、ここのQ&AにはPeter HookとClint Boon (Inspiral Carpetsの)が登場します。売り切れてるけど。

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