2.06.2017

[art] The Vulgar : Fashion Redefined

4日に見た美術館関係のをまとめて。 だらだら書いていくといつまでも終わらないので適当に端折りつつ。

朝ご飯を食べて(→ http://www.bernerstavern.com  なかなか。)、そこからまずV&Aに向かって、いくつか。

まずは面倒なのでメンバーシップを取る。 どうせいっぱい来るんだし、いちいち並ばなくてすむんだし。

You Say You Want a Revolution? Records and Rebels 1966 - 1970
Bowie展のときと同じエリア、同じ規模で、同じようにSennheiserのヘッドホンとコントローラーを受け取って中にはいる。
タイトルはもちろんBeatlesのあの曲なので、文化やファッションの角度から当時の「革命思想」みたいのがどういうところから出てきてどう伝搬していったのか、どこにどんな影響を与えて今に至るのか、を網羅的に - 当時のTV映像、新聞記事、書簡に書籍、レコード、ファッション(アイテムにアイコン)、風俗、家具に家電などなど - を並べる。 時代的には60年代まんなかから全てがバーストしたWoodstockまで。Punk, Hip-Hopの登場までは行かない。 この線引きが割と絶妙で重要で、つまり欧米の当時の若者たちにとって「革命」を夢見て語ることが可能であった幸せな時代をうまくパッケージ化している - パッケージ化できるくらいにその言説が流通し、流行し、(正しい正しくないは別として)機能していた、ということをそれを見るわれわれは知ることができる。

例えば、Punk以降の時代でこういったことは可能になっただろうか、というとちょっと難しい気がする。

あと、欧と米の視座の違い、というのはある気がしていて、たぶん米国で同じ展示を計画してみたとしたら、もっととっちらかった散漫なものになったのではないか、とか。
会場の至るところに並べてあるレコードジャケットもアメリカだと相当違ったのではないかしら。 The Incredible String Band とかの位置づけとか。 たとえば。

展示の最後のほうは、Bowie展とおなじように3面のばかでかいスクリーンでウッドストックのライブ映像と当時の証言をがんがん流してて、みんな床に寝転がってみていた。
ジミヘンのアメリカ国歌のとか、フルで初めて見た気がした。 いまさら。


Undressed: A Brief History of Underwear
V&Aのファッション部門でやっていた有料展示。
下着はだいじよね、と軽くてきとーに入ったら9割くらい女性でびっちりで間に割り込んで見れる空気ではなかったのだが、おもしろかった。
昔は葉っぱ程度だったやつが、隠すとか包むとか覆うとか広げる縮めるとか矯正するとか見せるとか誘うとか装飾するとか、とにかく時代によってものすごくいろんな機能を期待されて男性のも女性のもがんばってきたんだねえ、というのを一覧できるのだった。

これまでのファッション系の展示とはちがって、これってどんなふうなのかしら、とかいちばん試したい欲求が高まりそうなやつだったかも。
あと、欧米じゃないアジアとか日本のってどうだったのかねえ、とか。


The Vulgar : Fashion Redefined
V&Aから滞在中のとこにいったん戻って(歩ける距離)、それから夕方だったけどbarbicanに移動して、見ました。
ここでも最初にメンバーシップを取る。 アートだけじゃなくて映画もライブも割引になるし、会社の帰りに寄れるとこだし。

この展示のタイトルだけみて「悪趣味」特集かあ、とか思って寄っていくと結構めんくらうかもしれない。

会場の説明文言で"Vulgar"の定義とは... "Common" 云々とかあって、中世くらいにまで遡っているのでなんか面倒ぽい。 一筋縄ではいかないかんじで、とりあえず、と展示ブツを追っていくと、べつにふつうにかっこいいものもあったり、悪趣味... かもしれないけどぜんぜんいけるしかっこいいよね、とかそんなのだらけで - ブランドでいうと、それこそLVからVivienne WestwoodからChristian LacroixからComme des GarçonsからMartin Margielaからたいていのものはあって -  Vulgarていう単語の解釈(後付け)によって展示される内容もいろいろ動いていって、つまりそれが”Redefine"、ていうことなのだろうが、つまるとこ、「わーかっこいいー」とか言ってどーっとそっちのほうに行ってみんなで寄ってたかって群れて真似する、ファッションの本質でもある気もしてきて、じゃあVulgarじゃないのって、例えばどういうのよ、とか更に横滑りして、ひとつ前にみた"undressed"の即物的な力強さとは180度異なる観念の空中戦みたいなところがスリリングで、つまりは「かっこ悪いことはなんてかっこいいんだろう」みたいなところに集約されてしまう、とでもいおうか。 結局そういうのを判定するのは誰なのか? ファッションメディアなのか大衆メディアなのかあるいは「消費者」なのか、とか。

久々に風通しがよくて変てこでおもしろい展示だった。 企画したひとえらかったかも。


さっきBBCにDavid Hockney - もうじきTateで大回顧展がある - が出ていて、あまりにおじいさんになっていたのでショックだった。でももう80なんだよねえ。

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