12.26.2016

[log] NYそのた1 -- December 2016

映画とアート、と食べ物以外のあれこれ。

行きの飛行機はへろへろに眠くて、新しい映画見る気力なくて、そんなに見たいのもなかったので、ご飯を食べながら”Silver Linings Playbook” (2012)とか見てた。まともな人がただのひとりも出てこない変な映画だけど、なんか好きなの。

帰りは、これ1本だけ見た。 できれば映画館で見たかったが日本の公開は3月だというし、3月なんて。

The Light Between Oceans (2016)

原作の小説『海を照らす光』 - はまだ読んでいない。見たらとっても読みたくなった。
第一次大戦から戻ってきた軍人のTom(Michael Fassbender)は空きがでた孤島ヤヌスの灯台守に自ら望んで赴任して、やがて対岸で見初めたIsabel(Alicia Vikander)と結婚して島で幸せに暮らし始めるのだが、幸せはそんなに続かなくて、子供ふたりを続けて死産して悲しみに暮れていたころ、島に流れ着いた船に父親と思われる男の亡骸と女の赤ん坊を見つける。 本土に連絡しないと、ていうTomに対しIsabelはこの娘は自分たちの子供として育てたい、と彼に懇願して、こうして娘Lucyはすくすく育っていくのだが、本土に行ったとき、夫と娘を海で失ったというHannah(Rachel Weisz)と出会って …

戦争に疲れて灯台守という孤独な仕事を選んだTomと、夫を愛しながらも更に愛する対象として子供を望むIsabelと、不慮の事故で夫と娘を一遍に失ってしまったHannahと、登場する誰もが自分の内側に疎通不能な地獄を抱えてて、それって相対的な不幸の話ではなくて誰も悪くはなくて、それぞれが海に浮かんだ孤島になってて、そういうとき、なにが人を導く灯台になるのか、なにが人にとって光に、救いになるのか、と。

監督は”Blue Valentine” (2010) 〜 “The Place Beyond the Pines” (2012) のDerek Cianfranceで、前2作の鉄条網のようにあがけばあがくほどぐさぐさ刺さってくる愛の地獄のかんじはあんまなくて、そこは原作にある倫理的なトーン、のせいかもしれないけど、まず原作読んでないし。

みんなそれぞれとっても可哀想なのだが、そんなに暗いかんじはしないの。それはたぶん。

(さっき邦題を知って絶句した。ねえねえ、ぜんぜん違うでしょ。なに見てるの? ばっかじゃないの?)


そうそう、LESの映画館、Metrographのはなし。

http://metrograph.com/

平屋の2階建(エレベーターがない、っていいよね)で、1階にシアターふたつ、2階に本屋(もちろん映画関係、古いのも新しいのも)とちゃんとしたカフェレストラン(フレンチトーストを食べたけど、あきれるくらいちゃんとしてた)があって、1階ロビーの大きめのソファも含めてゆったりしてて素敵で、売店にはポップコーンはもちろん手作りお菓子とかサンドイッチが並んで、ポッキーに日本のグミまである。
びっくりするのが受付でただで配っているスケジュールが記されたプログラムの冊子で、なんであんなに豪華でちゃんとしたやつがFreeでできるの? なのだった。

で、プログラムはいくつもの小特集を1日に並行して流していて、行ったときにはLAIKA特集の他にクリスマス映画特集(すごいよ、ばらばらで)に、Maggie Cheung特集に、30日には”PUNCH-DRUNK LOVE” (2002)やるのかー。いいなー。みたいな、いいなー。ばっかしなの。
椅子は沈みこんで寝ちゃうかんじのではなくて木製の背筋が伸びるかんじの。でもでっかくてとても心地よい。

歳とったらここでいちんちだらだら過ごしてあの暗闇のなかでしにたい。
難点があるとしたら、ポップコーンかなー。その場でマシンからハジけて吹き出してほしいなー。

レコ屋は、Brooklynを諦めざるを得なかったのでマンハッタン内の2軒で7inchを数枚、くらいだった。
かわいそうに。

本屋も、17日のごごにMcNally Jackson行って、さらにMast Booksに流れたくらい。
雪→雨の午後のMcNallyはものすごい人だかりでびっくりだった。 ああいう天気のときにいっぱいになってごった返す本屋さん、いいよねー。
雑誌以外では、Lillian RossがかつてNew Yorker誌に書いたTruffautの評論をまとめた小冊子$8。
そういえばこないだおなじシリーズのJohn Hustonのも買ったけど、あれはどこに消えてしまったのか。

Mast Booksでは古本ひとつと、あとこれ。 Susan Sontagの有名なポートレートが表紙の。

https://steidl.de/Books/Lost-Downtown-0708364251.html

Strand Bookstoreにも行った。 Johnny Marrのサイン本、Zadie Smithのサイン本をどうしようか悩んだが、とにかくもう積みすぎなんだから、読む時間ないんだから、と諦める。

あと、金曜の夕方、MoMAのあと、5th AveをのぼってクリスマスのBergdorfに行った。
途中、どんなに嫌いでもTrumpのあそこの前を通らざるを得ない。勝手に道塞いで占拠してんじゃねーよくそったれ、と中指を。

Bergdorfのクリスマスのウィンドウ、今年は例年よかちょっと地味だったかも。
7階でオーナメントを少しだけ買った。

ロックフェラーセンターのツリー、最後の晩のミッドナイトに行ったら、なんと消灯してやがった。
昔はもっと遅くまでやってたはずだ。 しかも向かいのSAKSのライティングも消えてるし。
Anthropologieのディスプレイもやるきねえのか、ていうくらい地味だし。

しょうがないので翌朝、旅立ちの前にもう一回行ってみた。
ツリーのシェイプは、ここ数年でいちばんよかったかも。

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