12.29.2016

[film] Don't Breathe (2016)

元のトラックに戻るのだが、この年の暮れ、書いてないやつのどこから始めたらいいのか悩ましいので、簡単に書けそうなやつから。 おもしろかったし。

24日、クリスマスイヴの昼間に日比谷でみました。
なんでクリスマスイヴかというと、これって”Home Alone” (の creepyじじい版)& “Die Hard”(の少しわるい女の子版)で、これらはどっちもクリスマスの映画だからさ。

Rocky (Jane Levy)とAlexとMoneyの3人組は警備会社にいるAlexのパパの道具を使って空き巣とかしていて、その次に狙うことにしたのは交通事故で娘を失って、その補償金を家のなかに貯めこんでいるらしい一人暮らしの盲目の老人で、うるさい犬がいる以外、家は過疎が進んだ町外れにあって警察も見回りに来ないし、少しだけ後ろめたいかんじはしたが、トラッシュな親から妹を連れて西の方に逃げたいRockyは決行することにする。

決行の晩、犬を眠らせて警報機と鍵をくぐって、まずは家のなかに入れたので楽勝と思われたのに、起きだしてきた退役軍人のじじいは目が見えないことを除けば常人離れした粘り腰の強さをもってて、3人は”Home Alone”のJoe PesciとDaniel Sternよか散々のひどい目にあって、逃げたいのに逃げられなくて許してください助けてください、になるのだが、やがてRocky vs. じじいのDie Hard対決になって、そのうちじじいの驚くべき正体も明らかになって、殺るか殺られるかの狭い家、暗闇の手探り窮屈な追っかけっこになっていく。

被害者になるはずだったじじいがRockyの目の前でおっそろしいモンスターに変貌していくプロセスと、最初のうちに抱いていた少しの後ろめたさがひっくり返って「くそじじいぶっ殺したる」に転がっていくプロセスの交錯がおもしろくて、どっちも悪いといえば悪いんだけど、でもやはりRockyがんばれ、になってしまう、よね。

ひとりにされてもよいこは神さまが守ってくださる、ていう“Home Alone”からも、どれだけ傷モノボロカスにされてもよいこは神さまが死なせてくれない、ていう”Die Hard”からも離れて、どす黒いじじいとやさぐれた女子のどっちを神さまはなでなでしてくれるのか、或いはどっちも地獄に堕ちるのか、息を詰めて見ているしかない。

土地とか家とか軒下は、”It Follows” (2014)とか”A Band Called Death” (2012)に出てきたデトロイトの宅地の赤茶けて寂れて崩れたかんじで、なかなかおっかなくて素敵で、続編作るとしたら蘇ったじじいが”It Follows”してくるのだろう。 ていうかじじい、”It Follows”に出ていなかったか? (あの、屋根の上とかにいたやつ)

いちばんついてなくて損したのはAlexだよね。 かわいそうにー。

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