12.20.2016

[film] Rogue One (2016)

19日のごごに成田に着地しました。
ぜんぜん寒くなくて、それだけでつまんなくてくるっと回れ右して引き返したくなる。

15日木曜日の晩、Times SquareのAMCでみました。
今年はいくつかのシアターで座席指定ができるようになったのでよかった(でも発売日には予約できなくて出遅れてなー)。 座席早いもんがち方式だと、この寒さのなか時間帯によっては外で並ぶことになってなかなかスリリングなの。それはそれでお祭りで楽しいけど。

上映前の予告は来年夏迄の大作の予告を延々、ほとんどIMDbとかで見ていたやつでもでっかい画面で見るとぜんぜん違うわ。
いちばん「あーあー」が出ていたのはもちろんMichael Bayのあれね。

さてRogue One。これ、ネタバレもくそもなくて、主人公達のミッションは完成間近のDeath Starの設計情報を盗んでくることと明示されていて(それが達成されたこともわかっていて)、時間的にはEP4の直前までの世界を描いていて、ここに出ている人たちはEP4の時にはどこにもいないわけだからつまり… というあらかじめ相当きっちりと仕切られた(限定された)設定のなかで登場人物たちはどこまでどう暴れてEP4への遷移も含めてすんなり納得して貰えるのか、これが正の「外伝」としてうるさいマニアの連中に認められるのか、が勝負で、ていうか、これはシリーズ化されないことが既に宣言されているから勝負もくそもないわけだが、出始めているレビューは当然のようにだんだら模様で、そんなのは最初からわかっているので、好き嫌いだけでいうと好きなほうなの。 監督がGareth Edwardsで脚本がChris Weitz - 冷酷非道の世界にも人間万歳の世界にもじゅうぶん浸りきれないちぐはぐでほんの少し崩れた世界を描いてきたふたり - なんだから支持しないわけにはいかない。

幼い頃、目の前で父親を連れ去られて、反乱軍過激派のSaw (Forest Whitaker)に育てられたJyn (Felicity Jones)がCassian (Diego Luna) にぶつかって、Death Starの設計情報を盗むべくRogue Oneを組織して帝国のセキュリティの前線基地につっこんでいく、これだけのお話。 Rogue Oneには元帝国軍のパイロット(Riz Ahmed)とか座頭市(Donnie Yen - かっこいい)とか鉄砲撃ち(Wen Jiang)とかロボット(K-2SO)とかその他ボランティア参加のならず者たちがいて、こういうのの見どころってこいつらがどれくらいしょうもない不良の腐れた愚連隊なのか、だと思うのだが、なんかみんな割といい人たちっぽくて、つまりそれだけ帝国が極悪非道、ていうことなのだろうけど、それでももう少しはダイバーシファイしてもよいのでは、とか。

基本はレジスタンスのゲリラ戦で、Forceもレーザーブレードもあんま関係ない。Star Warsサーガの世界観の中軸にあってあの世界を二分していたForceの要素がない(いちおう座頭市が念仏のように唱えている、くらい)ので、ドラマは正に兵力・軍事力による数や力の差が全てを決めるように動いていて、そこにおいて圧倒的に不利なRogue Oneがどこまで刺さって撹乱して戦えるのか、がポイントで、だからつまり、帝国のシールドをどうやったら破ることができるのか、データはどこに置かれていてどんなパスワードでガードされているのか、どうやってデータを自分達の側に伝送できるのか、とかが決め手になって、つまり、SFていうより今のふつーの戦争とあんま差はないかんじ。

帝国側に奪われてしまった父親を取り戻す/取り戻したいというJynの強いエモが底流にある、というところからEP5 - EP6に、特に全てが塞がれて潰されて敗走していく、という点では「帝国の逆襲」に割と近い、という指摘はたぶん当たっているのだが、個々のエモや想いがややばらけていて大きなうねりに撚りあっていかないところがなー。 あのラストに不満はないけど、もっともっとドラマチックにできたよね。 で、そういう悲愴感の反対側でならず者たちの軽妙で適当でユーモラスな、でも過激な破壊工作をいっぱい見たかったよなあ、とか。

ホークスやペキンパーだったらどんなふうに撮っただろうか、ていうのは無理な妄想かもしれない、でもそこまで行けたような。 Leigh Brackettさんの魂をここに ー。
でも全体としては、なんか悪くなくて、少しほっとした。あっちまで飛んでいった甲斐はあったというもの。

でもなー。 あんなふうにデータ保管するかよ、90年代の方式だよ、あれ。 データ伝送も線引っ張ってワイヤー結線しないとだめなの? とか。

EP4の画の世界に直結したかのようなノスタルジックなかんじはなんだろう、と思っていたら、EP4の頃の素材を加工して使っていたと(by HelloGiggles)。
でもそれならさー、反乱軍のパイロットにWedgeがいないよ。 EP7はしょうがないけど、ここにはいないといかんでしょ。

上映後の拍手はEP7の終わったときよか大きかった。 また見よっと。

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