11.10.2016

[log] November 10 2016

帰りのTACOMA空港まで来ました。

やれやれ。 あーあー。 あー。 あ。(深呼吸)
まさかこんな気持ちで帰りの便に乗ることになろうとは。(飛ぶのかしら。どっちでもいいけど)

月曜の晩、ホテルの部屋に戻ったらSNLの選挙特集をやっていて、これまで個々の動画は見ていたのだが、まとめて見てみると強烈にバカらしくて、どっち陣営もひどいのだが、トランプのしょうもなさは際だって強烈で、それをげらげら笑ってあー明日以降はこのバカツラを見なくて済むんだわ、と思ったものだった。

ところが。 火曜日の昼頃からなんかみんなそわそわし始めて、そんな面白くもない会議だったこともあって、みんなWebとかスマホを分刻みで追っかけだして、夕方に某巨大企業のオフィスを見にいったときは、そこのロビーのばかでかいディスプレイにライブで進捗が流れていて、それを階段状になった待ち合わせエリアで見ているそこの社員の人たちはみんな呆然としてて、ホテルに戻ってTVをつけても気持ちわるくなるばかり、朝になってもまだ悪夢の只中にいるようで、目が醒めてくるにつれてひたすら怖く恐ろしく、悲しくなっていった。

119とはよく言ったもので、心象の動きは911の時とほんとうによく似ている。
この日を起点にアメリカだけでなくいろんな国で起こりうるであろう暴力沙汰、罵りあい、憎悪の連鎖を思うと、ただただ恐ろしい。

なにが/なんで怖いのか。 他者を傷つけることを公の場で平気でいう人(←「悪人」の定義)、かつそれに伴う他者の痛みや苦しみをまったく想像することができない人(←「バカ」の定義)、つまりこのどうしようもない「バカ」の「悪人」が世界一強大なパワーをもつ国のなんでもできる権力者のてっぺんの座についてしまった。
そしてこいつ(とその取り巻き、その支持者)は、今回の勝利を彼のこれまでの行いや言動に対する国レベルでの承認、と受け取るだろう。 シンプルにバカだから。バカとはそういうものだから。

そしてこれはぜったい向こう岸の、他の国の話ではないの。 トランプが米国で「承認」されたことを受けてただでさえ米国追従でヘイトの下地たっぷりの、バカで幼稚なこの国の政治家も御用メディアもますます調子に乗ってへらへらと弱者を傷つけ痛めつけて、そのことに対して鈍感になっていくに違いない。 劣化と腐敗の連鎖と加速がおこる。

英国に続いてまたも予期しない結果、とかポピュリズム云々はもはやどうでもいい。
メディアも含めてみんなの頭が悪くて鈍くていろんなソーシャルの煽りに浮かれていただけ、としか言いようがない。 頭を切り替えて今回の結果に怯えている人たち/傷つく可能性のある人たちを助けてあげないといけない。

かつて911の光景をハリウッドの映画のようだ、と言ったひとがいたが、119もそうで、米国(成金バカ)/ロシア(筋肉バカ)/日本(真性バカ)の腐れたトライアングル・バカ(でも最高権力者)が手を取りあうところを想像しただけで虫酸が走る。どんな悪党野郎のヴィジュアルよりひどいわ。

でもこれは映画の話ではないの。 現実なんだ。
まず守れるひとを守って、助けてあげよう。 間違ったことを間違っている、といえる視座と知識と行動に移す勇気を持とう。そして悪いやつを倒す。

9日の夕方4時頃、別の建物に向かう途中で広場に何人かの若者がわらわら集まってプラカードを掲げて騒いでいた。それが5時半に帰るころにはデモのうねりになって大通りを埋めていた。ちょっと増えた程度かと思ったらどこまでも途切れなく列は続いて、警察がいっぱいいてヘリも飛んでいる。
メッセージはそれぞればらばらの手書きで、紙のひともいれば旗を作ったひとも、シャツに直に書いているひともいて、みんな大声でなんか怒鳴るのだが、各自てんでばらばらに叫びたいことを叫んでいる。コールを合わせるのももどかしいくらい切羽詰まって怒ったり泣いたりしているかんじ。
方角が一緒だったのでしばらく一緒に歩いて声をあげたら、すこしだけ気が晴れた。
みんなそれぞれに傷ついたり泣いたり頭にきたりしたのだね、ていうのがようくわかった。

気晴らしに近所に映画を見にいって深夜に戻ってきたらなんか警察のひとたちがいて、なんじゃろ、と思ったらホテルの傍で発砲があったんだって。 そうらきたぜ、て思ったわよ。

ふん。まけるもんか。

戻ったらJimmy FallonでMartha Wainwrightさんが歌っていた。
おかえりなさい。ありがとう。

今回、映画は1本だけ。本は少し、雑誌ゼロ、レコードいっぱい、そんなもんか。

ではまた。

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