6.09.2016

[film] 金色夜叉 (1937)

5月7日の昼間、渋谷の清水宏特集でみました。 

英語題は、“The Golden Demon”。
原作は尾崎紅葉の明治時代の大作で未完で、読んでない。
Wikiとか見るとものすごい数映画化されているのね。

冒頭、大人数が向かい合って百人一首をしていて、髪の毛ぺったんこ分けのむっちりしたメガネおやじがものすごくわざとらしく取り間違いしながら触ったりはしゃいだりしてて、横に並んでいる気になる女性を車で送ってあげて、それがお宮(川崎弘子)で、彼女にはずっとつきあっている大学生の貫一(夏川大二郎)がいるのだが、彼女は家のことを考えてさっきのむっちりでぶの富豪 - 富山(近衛敏明)と結婚するの、ってさらりと告げて、貫一はがーん、て衝撃を受けてあの有名な貫一がお宮を足蹴にするシーンになるのだが、ここはものすごくあっさり普通の道路上で遠くから。

で、ショックで大学をやめちゃった貫一は、血も涙もない高利貸しのとこに就職して、同級生 - 笠智衆とか佐分利信とか - に請われても殴られても、上役高利貸しの三宅邦子に言い寄られても微動だにしない取りたてマシーンになって、高利貸し業まっしぐらで、そうしているうちにお宮が嫁いだ富山の家の経営が悪化して、貫一のところからお金を借りることになるのだが。
でも間違っても奇跡の大逆転は起こらないから、貫一ったら ... なの。

経済格差とロマンスの間の壁、という極めて現代的なテーマに切り込みながらも一度壊れてしまった愛はやはり戻らないし、ついてないことばっかりだし、貫一の明日はどっちだ?  なのだがあんましかわいそうなかんじはしない。 やっぱし、別れを切り出されてついかっとしたからって女の子をぶったり蹴ったりしたらいけないのだし、あのまま友達でいれば彼女の家が危機になったときにうまくよりを戻せたかもしれないのにねー。 でも世の人の大多数は哀れ貫一 & ひどいぞお宮、になっちゃうのだろうか。

ていう、とっても教訓たっぷりのお話しだった。
結局いちばん得だったのはむっちりでぶ野郎だった、ていうとこも含めて。
百人一首ではぐいぐい攻めるべし、と。

でも、なにがGolden Demonなのかしらん。

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