3.28.2016

[film] 5 Flights Up (2014)

2月28日のごご、「なみだ川」のあとに銀座でみました。
「ニューヨーク  眺めのいい部屋売ります」

ふだんあんま見ないような映画なのだがNYの不動産事情が云々、というのであれば見ないわけにはいかない。 部屋をすこし貸りてた程度のものであるが。

結婚した頃からずっと、約40年間ブルックリンのアパートの5階で暮らしてきたRuth (Diane Keaton)とAlex (Morgan Freeman)の夫婦は、歳と共にエレベーターなしで5階まで上るのがいい加減しんどくなってきて、愛犬もヘルニアで病院送りになってしまったのでもうここを売ってエレベーター付きのところを買って越そう、ていう決断をしてRuthの姪の不動産屋のCynthia Nixon - つい「ミランダ」って呼んでしまう - に連絡すると彼女は鼻息あらく現れて、まずは売ることよ、それも高く売ること、ってそのためのノウハウを伝授してくれて、とにかく即決せずに粘れ、ていうの。 たまたまそのとき、橋のまんなかで立ち往生した車が爆発物を積んでいる疑惑とそこで逃走した運転手はテロリスト疑惑が持ちあがり(でこのあと延々逃げて捕まらない)、発生したのが割と近所だったものだから不動産価格への影響は避けられなくて、どうするどうなる、なの。

こうして自宅をオープンハウスで公開したときの地味なざわざわ騒動とか、マンハッタンで物件を見てまわるときのため息とか諦めとかが延々描かれて、さて彼らはいったいどこに ?  なのだが最後はなんとなくわかっていたようなところにいくの。

今のアパートの眺めのよいところは別として、現状の問題点をいっぱい挙げて、それらが新しいところでは値段も含めてどれくらい良くなるのか、それはそう簡単に○Xで決められるものではないことは誰にとっても同じこと、誰もが経験したことあることなのでそこはうんうん、て頷いたりそうだよねえ、だったりしてわかるのだが、いっこだけね。

どういうアパートのどんな仕様の部屋に住むのかは勿論大事なのだが、NYの場合(NYだけじゃないけど)どの辺に住むのか、が結構重要で、その辺の議論があんまされていない気がした。エレベーターさえあればいい、というのであれば確かに最後まで残ったアッパーイースト近辺が妥当なのかもしれないけど、画家のAlexにとってはとっても退屈なエリアだとおもうし。
(IMDbでも指摘されていたが、夫婦が選んだのは1st Aveの70thだけど、そこで映画が映しているのはAmsterdam Aveの110thくらいなの。両者の雰囲気はぜんぜんちがうし…)

いやいや一番大事なのはどこにどう住むかじゃなくて、誰と住むかなんだよ、ていうあたりが結論のようだから別にいいんだけどね。

あとね、エレベーターがあったって、停電になったら動かないんだよ。 大停電のとき、高層階でひーひー泣いている人たちいっぱいいたんだよ。

オープンハウスになるとどこからか現れる冷やかし親子の娘の方が最後になんかやってくれるかも、と思ったけど、なんもなくて、なんかもったいなかったかも。おもしろそうな娘だったのに。

出張前に見ていたのはここまで。

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