3.24.2016

[film] 古都憂愁 姉いもうと (1967)

2月27日の土曜日、京橋の三隅研二特集で見ました。原作:川口松太郎、脚本:依田義賢のこてこて。 
プリントもきれいで、にっぽんてよい国、とかおもうよ。 たぶん。

訳あって都落ちしたらしい小説家(センセーて言われるようなタイプ)の信吉 (船越英二)がいて、同じように京都の奥で女将の志麻(八千草薫)ひとりでやっている訳ありぽい旅館に泊まりにきて、あら久しぶりお料理でも取りましょうか、といって取ったところのがかつて小説家が贔屓にしていた小料理屋「とと喜」で、主人が亡くなったあとは出戻りの姉ともうじき結婚しようとしている妹が継いでいるのだという。

で、話はこの姉妹のほうに移って、柔らかいところも硬いところも長女、ていうかんじの姉きよ子 (藤村志保) と、気が強くて間違ったことが許せないかんじの妹ひさ子 (若柳菊) のふたりがいて、妹はこれから結婚するんだし、お姉ちゃんみたいに失敗しないんだから、と鼻息荒く結婚生活に臨もうとしていて、婚約者の陶芸野郎がなよなよ抱きついてきても頑なに結婚するまではだめよ、て拒んでいる。 で、つまんなくなった陶芸野郎は姉の方を向いて、前から好きだったんです、とか言って、動揺した姉は信吉のところに夜這いして当然のように拒絶されてなにやってんだろあたし、になって、でも結局、おいしいスコッチにつられて(...つられんなよ)、陶芸野郎と寝ちゃうの。

それがばれて妹は当然激怒で婚約破棄であんたなんか絶縁よ、の大喧嘩になって、そしたら姉はそいつと一緒に東京に駆け落ちしちゃうの。 料理屋とかぜんぶほったらかしで。 あまりのB型行動に一同あぜん。

年月が経って、文学賞を受賞した作家センセーが志麻を連れて東京のバーに行ったらそこでホステスしていた姉に再会してびっくりで、姉はとっくに離婚してて、でも妹にはあわせる顔がないから、って音信不通になっているというので、じゃあ、と彼女を京都に連れて帰って、自分の文学賞受賞の祝宴の料理を任せてみることにする。 

のだが、地味におでん屋とかをやっていた妹はまだぷんぷんだし、「とと喜」の暖簾を預かっていた親方(藤岡琢也)だって許すわけないし、じゃあその宴できよ子の腕をみた上で決めてやるか、ていうことになって、一世一代の庖丁人テイスティング勝負が始まるの。

過去が一切明かされず、とてつもない闇を抱えていそうなのにぴょんぴょん無邪気な志麻とか、妾の意味を理解していないお手伝いのお梅 (伊藤栄子)とか、十年のブランクをすっとばして料理人として復活してしまうきよ子とか、人生台無しだけど別にいいもん、のひさ子とか、出てくる女性はみんなそれなりに一途で、強いし負けないし、料理の腕はすごいし。 男はみんなつまんないねえ。

白みそ料理をとっても食べたくなる。

それと、スピンオフで女将・志麻のおはなし作るべきじゃった。

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