3.25.2016

[film] なみだ川 (1967)

2月28日の日曜日、京橋の三隅研二特集で見ました。原作:山本周五郎、脚本:依田義賢のこてこて。 
『古都憂愁 姉いもうと』を見ちゃったらこれも見ないわけにはいかなかった。

江戸時代のお江戸のお話しで、お仕事根性モノではなくて、姉妹の結婚をめぐるロマコメなの。

長唄の師匠をやっているおしず(藤村志保)、仕立屋をやっているおたか(若柳菊)の姉妹がいて、姉はとんちんかんな諺(どんなのがあったか思いだせないくらいひどい)を連発する世話焼きおばさんふう、妹はちゃきちゃきした江戸っ子ふうで、ふたりぜんぜん性格は違うのだが、病弱で働けなくなった彫金師の父に代わって家計を仲良く支えていて、妹は着物を納めている金持ちのとこのぼんぼんが気になっているのだが、極左のちんぴらやくざの兄(戸浦六宏)がいるので結婚は無理だわって諦めている。

おしずは妹のために唄の生徒の安部徹に頼んでお金を工面して貰い、そのかわりにおれの妾になれ、ていう安部徹をとりあえずてきとーに無視して、兄にもう二度と会いにきませんていう誓約書を書かせて、ぼんぼんの家に出向いてもうあれとは縁は切りましたからどうか結婚を、てお願いして、更に妹にはあたしは貞二郎(細川俊之)さん - たまに家にやってくる遊び人の彫金師 - と結婚するんだからあんたは心配しないで行って、ていう。

おたかは姉の結婚ネタは即座にウソだ、て見抜いて、ねんのため貞二郎に会いにいって姉がこんなこと言ってるんですけどー、ていうと貞二郎は姉さん、いいやつじゃねえか、って少し惹かれて、後で直接おしずとも会って、でもおれは遊び人なんだぜ、とか言いながらも姉の一途さ純粋さにやられて寝ちゃったりする。

なかなか悪くない展開かも、と思ったら、安部徹が貞二郎を呼びだして、あれはおれの女だから手ぇ出すんじゃねえ、て激怒していうの。 で、貞二郎はべつにあんなの俺の女じゃねえし、て引いちゃうの。

こんなふうにそれぞれのいろんな先走った想いが運命の糸車をからからまわしていくとこなんてもろロマコメなのだが、これが江戸時代なのがなかなか趣深いかも。

で、なんとか結納までこぎつけそうになったところで再び兄が現れて金貸さねえと縁談ぶち壊すぜ、とか言うので姉はまっすぐ刃物屋に行って刃物屋の番頭(玉川良一、すてき)に人を斬るときの短刀とそのときの構えまで教わって、当日、おめでたい席にやっぱり兄は現れるので一転して修羅場に。 

刃物、とうぜん出るべくして出るわけだが、その瞬間の殺気と勢いが画面のトーンを一瞬で変えて、その打突が身を引いてしまうくらい凄くて強くて、ああそうだよねえ、座頭市とか桜の代紋とかのひとだもんねえ、と改めておもった。 でもその殺気って、想いとか純粋さが爆発した先にあるものなんだよ。 

まあ、終ってみればみんな幸せになって悪いやつはいないことになっている(きょとん)、このへんもいいの。

あ、唯一、ブチ切れた安倍徹がなぶり殺しに来るかな。

ところで「なみだ川」ってなに?

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