1.05.2016

[film] Spectre (2015)

12月5日の夕方、六本木でみました。

もう既にあんま細部は憶えていなくて、感想というより印象レベルのはなしになってしまうかもしれないが、なんか書いてみよう。
多くのひとが気付いていると思うが、アクションとかどんぱちに関してはMission: Impossibleのシリーズとの違いがわからなくなっている。 べつに同じでもおもしろければよいのだが、なんなのかしらね、とか。  イギリスとアメリカじゃよ、とか言われてもそれがどうした、だしね。

悪の組織との因縁・繋がりが、前作、前々作あたりまで遡ること、それらが自組織から不可避的に発生した双子のようなもん("Rogue Nation"もそうね)であること、更にそこにJames Bondの出生とか家族の思い出にまでくっついてくるので、いまの自分のミラーや影のようなかたちで悪は存在する、ずっとそこにいた、ていうのがベースで、だから悪をやっつけることは半分自殺みたいなことでもある、と。
で、実際に前作で生家をぼろぼろに壊され、その場所で母のように慕っていたMを失って、その流れもあってなんか自棄に、不愛想に不機嫌になっている。 

職くらい失っても、自分が死んだって構うもんか、くらいに彼の内部でなにかがぐつぐつ滾って怒っていて、それがなかなかの勢いを生んでいる。 (これに対して、Ethan Huntを動かしているポジティビティのコア、てなに? とあれはあれで謎でおもしろくて -  American?)

という具合にどんぱちは派手だが割りとパーソナルに籠ったトーンでお話しは進んでいって、でもどんだけ暴れても相手は組織だから結局は総力戦にならざるを得ない。 ガジェットだのハッキングだのを駆使しないとそんな悪党には到達できないので、前作で悪党から奪ったUSBを自分とこのネットワークにそのまま繋ぐというシロート以下のど失態(損失影響を考えたら軽くクビよね)を演じたQは、このへん自他共になんか後ろめたいところがあるせいか、いいようにこき使われていて、かわいそうというかおもしろいというか。

でもこの道は最終的には財力のあるほうの勝ちになるよね。 サーバー小屋や暗号の強度って、単純に金かければなんとかなる世界だから、そのうちものすごい富豪の悪漢が出てきたらほんとにImpossibleになる可能性が高い。 そしたらどうするんだろ。 現実にはそうなりつつあるわけだがー。

もこもこ暗いトーンと派手なアクションがだんだら模様を描いていって、どうするのかと思ったら最後は以外なほどあっさりしゃんしゃんと終ってしまう。 Daniel CraigのBondはこれで終りか? とか言われてもしょうがないくらいさらりと。

あと、Monica BellucciにしてもLéa Seydouxにしても、裏がなさすぎてつまんなかった。
一方は夫を、一方は父親を殺されてる(自殺だけど)のになんであんなに素直でいられるの? ボンドガールはそういうもんだから?  って、ここんとこだけ手を抜いてない?(→ Sam Mendes)
二人ともそこらの男をしおしおのからからに絞りとれる実力たっぷりなのに。
Monica Bellucciにねっちり絡まれて骨抜きにされるBen Whishaw、とか見たかったなー。

あと、ヘリコプター禁止だよね。何台ぶっ壊せば気が済むのか。 あんなの、ドローンの数百倍危険じゃん。

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