1.14.2016

[film] Comet (2014)

8日の金曜日の昼間、清澄白河から渋谷に移動して見ました。 最終日の最終回だった。

冒頭は、Dell (Justin Long)がいよいよその時が来た、みたいに決意を固めてドアの外で踏みこむか殴りこむか、みたいな状態で、そこからタイムスリップするかのように場面は6年前(おそらく)、ふたりが出会ったLAで天体観測のツアーか何かの列に並んでいて、そのとき彼女 - Kimberly (Emmy Rossum)は当時の彼とデートしていたのだが、Dellは構わず彼女にくらいついて、という場面の後、場面は更に時間を隔てたいくつかのシーン - 友人の披露宴に一緒に出かける直前のバリのホテルとか、Brooklyn(彼)とLA(彼女)の電話とか、久々に再会して電車のなかで、とかに切り替わったり行ったりきたり。

それは一見するとなんでもないふつーの情景で、なにか決定的なことを言ったりやったり起こったりする、というより、後々のなにかどこかに影響を与える予兆のようなことがあるようなないような、で、その行方や結果は明示されないまま次の場面に飛んでいく。

ある男女の6年間とパラレルワールド、のような説明は既にあって、ということはこの男女はうまくいかなかったことは既にわかっていて、ここでのパラレルワールド、ていうのは、ひょっとしたら彼らが幸せにカップルになれていたかもしれないどこか別の時空のお話しなのだな、ということはわかる。 

でも映画はあの時のあれが実は決定的ななんかだった、みたいにこまこま責任追及とか原因解析をするわけではなくて、誰にでもどこにでもありそうな恋愛の風景スケッチに留まっていて、そこはなんかよかったかも。 パラレルワールドとか言ったって、それって、時間空間軸の問題、とかいう以前にひとがふたり、というところで既にじゅうぶんパラレルで、つまりはどうしようもないといえばどうしようもないんじゃねーの、って。

もちろんそんなこと言いだしたら恋愛ドラマなんて成り立たなくなってしまうので、ふたりの間の物理的だったり心理的だったりする距離とか、ふたりのキャラクター - べらべら喋りまくるJustin Longとそれを適当に鷹揚に受け流して時折ブチ切れたりするメガネのEmmy Rossum(すてき)を横並びにして、で、その組合せがなんかよくて、こういうのってどっちかがおしゃべりじゃないとだめよね、とか改めておもった。

で、あのときもし君が君じゃなかったら、みたいなパラレルものの近年の最高峰としては『あの頃エッフェル塔の下で』がまちがいなく聳えていて、あの映画でのMathieu Amalricとこの映画でのJustin Longはどことなく似ている。 自分が一番偉いしモテるしと思っているくせに、実は一番脆弱で、実際すぐにやられてばったり寝こむ、みたいなとこ。

ふたりが出会った晩、帚星(Coment)(だよねあれ? ちがうの?)がふたつ空にあって、つまりそれくらい、何万年に一回くらいのありえないこと、て言っているのだろうが、ありえないからもう地球なんてなくなっちゃえ、くらいのところまで引っ張ればなー。


ああ、Alan Rickmanさんまで ...

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