1.15.2016

[film] うるさい妹たち (1961)

8日の金曜日の午後の2本目、阿佐ヶ谷の特集「東京映画地図」のなかで見ました。 邦画はじめ。

冒頭、夜中に運転している男がうとうと眠そうになったところで車の前に立ちはだかる女の子がいて、おじさん車乗せてくれない? と聞いてきて、いいよ、ていうと後ろの暗がりから男女のグループがわらわら現れて車に乗りこみ、おじさんは休みたいという彼らの求めに応じてホテルに入り、最初の女性(純子18歳 - 仲宗根美樹)はおじさんと二人部屋になってちょっと怪しいかんじになるのだが、おじさんが突然欲情して襲いかかってしまったので雰囲気がぶち壊れておじさんは帰ってしまう。

おじさん(山村 - 永井智雄)は丸一物産ていう会社の副社長で、自分の秘書にアプローチしつつ、病気でいなくなりそうな社長の次を狙いつつ、自分の娘(尚子 - 江波杏子)には自分の会社の大株主の御曹司との縁談を進める、というマルチでいろいろ強欲なことをやっている。おじさんたら。

純子の恋人は売れてないけど自分には絶対才能があると信じているこれまた傲慢な若者(健二 - 川口浩)で、健二は御曹司とのお見合いがつまんなくてぼんぼんへの当て付けで六本木のナイトクラブにやってきた尚子と出会って恋(この上玉を自分のものに)におちて、彼女に絵のモデルをやってくれないかと頼む。

副社長に言い寄られている秘書の里子には同じ会社につきあっている真面目な彼がいるのだが、こいつは貧乏で先がなさそうだしどうしようかと思っていて、里子の妹は不良の純子で、姉妹であまりぱっとしない暮らしをしている。

やがて純子は副社長と秘書 = 自分の姉 - の逢瀬を目撃して、更に自分のものであるはずの健二が尚子と会っているのも見ちゃって、妹はどんどん不機嫌にうるさくやかましくなって暴れはじめる。

いろんな人物が面倒くさく入り乱れるので沢山の矢印や実線点線で人物関係図が描かれてしまうようなドラマの典型。 でも焦点は無軌道で制御不能な若者たちとそれによって掻き回される社会の上の方の人たちとか下の方の人たち、或いは男と女の、女と女の戦い、とかいろいろ、ひとによって受けとめ方は異なるのだろうが、結局のとこ、上の方でも下の方でも強欲でヤンキーなやつはほんとうざいねえ、とか。

こんなふうにテーマは割とどろどろなのだが、カミソリのように研ぎ澄まされた白黒のエッジがすごい江波杏子の佇まいとか、割とするする裸になってしまう女の子たちとか、そういうほうに感心した。

あと、どうでもいいけど、今のオフィスの窓から見える風景とほぼ同じのが映ったので仰天した。
あそこって…

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