11.18.2014

[film] It Should Happen to You (1954)

2日の日曜日、午前から京橋で、この日は3本続けてMOMAのに浸かった。
日仏のジャック・ドゥミ特集は出遅れの連続で入れず、トリュフォー特集(のJ-PL)は最初から諦めで、せめてこれくらいは、とものすごくがんばった。 だれのためだかなんのためだか、しらん。

「有名になる方法教えます」

New Yorkに出てきて2年くらいになるGladys Glover (Judy Holliday)は、ぱっとしない下着モデルで、セントラルパークをうろついていたら、ドキュメンタリー映画を撮っているPete (Jack Lemmon)と出会って仲良くなって、とにかく有名になりたくてしょうがない、コロンバスサークルのあそこの看板に自分の名前を載っけたい、という。 PeteはGladysに一目惚れするのだが、とりあえずそこは別れて、そこからGladysはひとりで代理店に出かけて行って、ほんとに看板を借り切って自分の名前をでかでかと載っけちゃうの。 へんな女。

代理店側は看板貸したあとで、あんないい場所渡すんじゃねえよ、て借り戻しにかかって、その交換条件でいろんな場所に名前の看板出してあげるから、ていう。  Gladysはそれに乗って、そしたらほんとに有名になっていろんな広告とかTVとかから声がかかるようになって、代理店のお金持ち野郎も寄ってきてくれて舞いあがるのだが、Peteのこころはなんとなく離れていって。

有名になってみんなにちやほやされたい、ていうのとあなただけのわたしでありたい/あってほしい、ていうのの間で揺れる恋、ていう今のラブコメでも普遍的なテーマに、映画作家としてまずフレームのなかの彼女に恋をした彼、ていうのを被せるなんて、なんてうまいのかしら。 諦めた彼女に向けてパーソナルなフィルムレターを残すとこなんかも(あれ、映写機ごと持って帰るしかないよね)。  決してお伽噺や夢物語じゃないところ、ひとは輝くから恋するのか恋をするから輝くのか、そのぱたぱたした切り返しのなかにすべてはあるんだ文句あるか、みたいなふうがとってもよいの。

それにしても、George Cukor、この同じ54年にめくるめくお伽噺の大伽藍(極北)、みたいな大作"A Star Is Born"をリリースしているんだからすごいねえ。

Gladysが看板を借りにいく代理店の住所 - 383のMadisonて、いまはJ.P.Morganの悪趣味なビルが建っているところなの。

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