8.29.2011

[music] アナログばか一代

日曜日も引き続いてシネマヴェーラに通うつもりだったのだが、昼間は少し横になっただけでまったく立ちあがることができなくなり、夕方から少しは軽そうに思えたこっちのイベントにした。

夕方5時半からだらだら始まり、終わったら9時を過ぎていた。
こんな締まりのない、茶の間でレコード掛けながらだべっているだけみたいな会のことを書くのはどうか、とちょっとだけ思うが、でもおもしろかったんだもの。

もうじき公開される”Get Loud”ていう映画にちなんで、ギタリスト/ギターの音をアナログでばりばり。
映画で取りあげられている3人のギタリストについてはいろいろ思うところもあるし、あんたらに"Get Loud"なんて言われてもねえ、というのもなくはないのだが、それはちゃんと映画を見てからね。

開場したときに流れていたのはDuane Eddyのいいかんじので、そのあとの一発目がYoung Marble Giantsの"Final Day" (1980)ですよ。 アナログのギタリスト特集の一発目がStuart Moxhamというとこがいいよねえ。

んで、そこから突然、Loren Mazzacane Connorsに飛ぶのね。 すごいでしょ。
そっから、Table of the Elementsから出ていた元素記号シリーズの何枚かを。 
そうか、あのジャケットのなかみはこうなっていたのか、というのがはじめてわかってうれしい。

電気ギターの音て、よく「がつんと」とか「稲妻のような」とか形容されることが多いが、それって、そういう音を追及したギタリストのちゃんとした録音ブツをアナログのでっかい音で再生すればほんと稲妻になるのね、というのがしみじみわかるのだった。

個人的に圧巻だったのは、The Whoの"I can see for miles"のUKのモノ盤。
このとんでもない過剰さには笑うしかなかった。
「ぼくにはうーんと遠くが、遠くが、見える、見えるよ!見えるよ!!」とか歌いながら足下の地雷で粉々にふっとんでしまうバカ、みたいな絵がうかぶ。

いつかきっと、こいつのUK盤を入手してやる。

ギタリストの選択は、やはりがつん系、妄執系、弦1本1本を濃ゆくぶっとく鳴らす系にやや寄っていて、さらさらしゃりしゃり系はやや少なめだったか。
今回取りあげられなかったのはどんなのがあっただろう。 いくらでもあるか。

John Fahey, Ry Cooder, James Burton, Steve Cropper, Roy Buchanan, Gary Lucas, Mick Ronson, Fred Frith, Bill Frisell, Richard Thompson ...   あとはあとは。

Jeff BeckもJimmy Pageもかからない。ClaptonもCreamで一曲だけ。そういうもんよね。
そのJimmy Pageさんが師と仰いだLink Wrayの"Rumble" と、ついでにそのB面の"The Swag"をかけて終わり。 

これが今から50年以上昔の音。 音のやかましさとかエッジとかって、ほんとに物理的に耳を直撃するもんだから、再生装置とかあんま関係ないように思われるのだが、今のところはこんなふうに針をがりがり引っ掻いて増幅されてくる音にかなうもんはないようだった。 - 50年たっても危険物は危険だ。

今回は即売がある、ということで楽しみにしていったのだが、あんま手を挙げるひとがいないし、いいのかなあ、というかんじで買ってしまった。 4枚だけ。
だって、デパ地下で試食やってて、しかもほんのちょっとじゃなくてフルで食べさせてくれて、そのあとで、いるひと? て言われたらふつう手挙げるよね?  なんどでも食べたいよね? 

でも、あまりに安すぎやしなかったか。

ついこないだ、約10箱に封印されていたアナログをようやく棚に展開することができたし、ごちゃごちゃ虫よりもひどく、どっからでも湧いてくるCDにはうんざりしてきたし、これを機に、オーディオなんとかする計画をちゃんとしよう、と改めて思うのだった。 
その前に片づけろ、はあるにしても。

次は9月のアテネかー。

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