5.02.2011

[film] September Affair (1950)

やっと追いついてきたかも。
連休の初日ですけど。 映画みるくらいしかないの。

4/29: シネマヴェーラで2本+短編1。

William Dieterleの"September Affair" (1950) - 『旅愁』。ひさびさに。

技師とピアニストがローマからNYの機上で出会うのだが、機の故障でナポリに降ろされるの。この故障だと時間掛かるから、とちょっとだけ観光して少し仲良くなって空港に戻ったら飛行機はすれ違いで飛んじゃってて、しょうがないから宿取って待つことにしたら、乗るはずだった飛行機は墜落してしまい、死亡者リストに自分たちの名前があるのを見つけて、あたしたち死んだことになっちゃった… と。

ふたりは新しい場所で新しい生活をはじめることにするのだが、ピアニストの恩師はあんたそんなことやめとき… ていうし、NYに遺された男の家族はなんか変だ… と動きはじめて。

ふたりの新しい生活がゆっくりと周囲に暴かれていく、という流れよりも、ふたりの新しい生活、新しい時間を持続させたい、というその思い、でもそれが長続きしないことはどちらもわかっている、その微細な繊細なせめぎあい、神経戦を見るべきなの。

男は技師としてまだやりたい仕事があるし、女はピアニストとして成功したい、そしてふたりの人生はすでに秋にさしかかろうとしている9月で、やがて冬が来ることもわかっているの。
だから一緒に過ごせたら、とおもうし、だから... 
最初のほうでふたりが立ち寄ったナポリの食堂で流れるワイルの"September Song"、そのときからふたりは全てわかっていたのではないか、と。

だからあのラストにぶつぶついうのはおかしいの。 あれが9月になった大人の取るみちなのよ。 ジョーン・フォンテイン、いいよねえ。

『ジェニイの肖像』(1947)も久々に見たいなあ。


おつぎ、GW期間中は、おまけでローレル&ハーディの短編がかかることになっていて、"Double Whoopee" 『バカ騒ぎし過ぎ』(1929)  ていうやつ。

ホテルのドアマンとポーターに採用されたふたりがどたばたするの。はたきまちがいが連鎖して伝播して大騒ぎになるところがいつも通りおかしい。今回は目潰しとか。 あと、ブレーク前のジーン・ハーロウさんが登場して一撃必殺の後ろ姿を見せてくれる。 すごーいの。


それから"Secret People" (1951)。 オードリー目あてのおばさんがいっぱいいたが、彼女は端役だし、この邦題はまったくありえない、ていうかわけわからない。
英国のイーリング・スタジオ作品で、ここはコメディだけじゃなくて政治ものも地味だけどよいのを作っているの(昨年見た"Went the Day Well?” (1942)とか)

英国で暮らす食堂の主人のとこに、某国にいる旧友から、政争に巻き込まれてやばくなったので娘ふたりを預かってほしい、と言われて、後から彼女たちの父の遺品が送られてくるの。
で、みんなで遊びに行ったパリの万博で、姉は国に残っていたかつての恋人と再会する。 恋人は政治組織でなにやらやっている模様で、姉が彼女の父を粛清した将軍を憎んでいることを知ってて、それを理由にコンタクトしてくるようになって、やがて。

最初は彼女も彼の求めに応じて動いてあげるのだが、だんだん怪しいと思うようになり、いろんなもの - 警察すらも- が信じられなくなっていく。 誰が悪いかはすぐわかるし、全体として粗いかんじだが、自分の手の届かないところで何かが動いていて、あたしの家族も人生もどうしてくれるのよ! の怖さはじゅうぶん。

妹役のオードリーさんのバレエは、思っていたよかずうっとちゃんとしてて、ふうん、ておもった。

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