1.24.2017

[film] Bringing Up Baby (1938)

いよいよこんなの書いている時間があー。

13日の金曜日、ホークス特集の最終日の最終回、渋谷で見ました。 『赤ちゃん教育』。
この特集では大好きな『教授と美女』も見れなかったので、せめてこれくらいは、と。

博物館に勤務する超真面目な古生物学者のDavid (Cary Grant)がいて、婚約者との結婚も目前なのだがもっか最大の関心事はずっと組み上げてきた恐竜の骨格標本の最後の1ピースとなる鎖骨と、博物館への寄付金をちゃんと貰えるかどうかで、寄付をしてくれるご婦人の代理人との接待ゴルフにいってがんばるのだが、そこで変な娘 - Susan (Katharine Hepburn)に勝手に絡まれて、彼女が兄から送られた豹のBabyをコネティカットのおばさんのとこに運ぶのを手伝って、って頼まれて、真面目すぎる彼は断りきれなくて、でも田舎についたらBabyはいなくなっちゃうし、ようやく手にいれた恐竜の鎖骨は犬のGeorgeが持って行っちゃうし、サーカスの豹は逃げちゃうし、牢獄には入れられちゃうし、いろんな取り違えに勘違いに思い込みがこんがらがって全員がお手上げで笑うしかないのだが、もちろん最後にはどうにかこうにか(除.恐竜さん)。

何度みても全員の挙動ふるまいがサーカスの曲芸やってる(でも豹も犬も使えない)としか思えない綱渡りの、ムンクの「叫び」状態できりきりしてて、何度みてもなにがどうやって着地したのかわかんなくなって、ぼんやり釈然としなくなるはずなのに、Davidにしてみればこれまでのキャリアが丸ごと台無しと言ってもおかしくない残酷なことになってしまったのに、見ている我々はとてつもなく幸せになれてしまう、こんなに軽くててきとーで天才みたいな映画はそうあるもんじゃないの。

とにかくねえ、自分が恋に落ちてることすらわかっていない、わかっているかもしれないがコントロール不能で、酔っ払っているのかヤク中なのか、絶対目を合わせたらやばい/あかんかんじで、からから上滑りしつつも万事快調で中空を高速ですっとんでいくSusanのおしゃべりが痛快でかっこよくて、キリンみたいな身体を折り曲げたり伸びたりしているだけでなんかすごくて、それに応えるDavidのどう返したらよいのかわかんないのでゼンマイ仕掛けになってしまう動きもたまんなくて、とにかく楽しいったら。

ずっと学問一筋だった男が街の手練れの女性(Barbara Stanwyck)と出会って新たな研究対象かもしれんLoveに目覚めてしまう、ていうのが『教授と美女』で、この映画も学問と恐竜の虜だった男がわけわかんないままに金持ちらしい変な娘にはめられてしまうお話で、両者の違いは Barbara StanwyckとKatharine Hepburnの違いそのままということもできて、どっちもすごいしおもしろいし、どっちも大好きすぎる。

そしてそんなお話の真ん中でふたりが合唱するのが"I Can't Give You Anything But Love"で、それはほんとうは豹のBabyを落ち着かせる歌(効かないけど)なのだが、結論から引いてみれば"I Did Lost Everything But Love"としか言いようがなくて、とんでもなく洒落ているねえ。

あの豹ほしいなー。

お片付けをしていたら『赤ちゃん教育/男装』のLDが出てきた。 こんなのどうしろっていうのか。

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