4.24.2016

[film] The Danish Girl (2015)

4月2日、土曜日のごご、新宿でみました。『リリーのすべて』。
実話を元に.. ていうのはもういいよね。

20年代のコペンハーゲンで、Einar Wegener(Eddie Redmayne)は前途有望な新進風景画家で、その妻のGerda Wegener (Alicia Vikander)は肖像画家で、こっちはあまり売れてなくて、でもふたりは幸せに暮らしていた。

いちどEinarがGerdaの絵のモデルとして女装してみたときに、彼のなかの何かに火がついてしまい、その発火のときめきをGerdaもおもしろがって、更にその絵の評判もよかったりしたのでご機嫌で、「彼女」をLili Elbeと名付けて町に出たりパーティに誘ったりするようになる。

嬉しがったり戸惑ったりしつつも燃え広がってしまったLiliの人格と存在はEinarを圧迫するようになって、こんなはずは ... とふたりは思うのだったがEinarはやがて苦しみやつれてLiliなしではいられなくなって、医者にかかったり幼馴染を呼んでみたりやってみるのだが元には戻るのは難しくて、最後の選択として出てきたのが性器を切除する - 今でいう性転換手術を受けること、だったのだが、世界ではそんなの誰もやったことないというし、なによりもGerdaにとっては夫Einarを失う - 死んでもいないのに失うことになる - のでいろんなものが試されてしまうのだった。

監督のTom Hooperの前々作 - ”The King's Speech” (2010)と同様に、家族/夫婦が力を合わせて苦難/障害を乗り越えるドラマ、というのが基本の線なのかもしれないが、Einarが男としてあることの苦しみが顕在化してから後はともかく、そこに至るまでの過程はもうちょっと丁寧に描いたほうが迫るものになったかもしれない。 だってこれってEinarがLiliという内なる女性と出会ってときめいて、GerdaがLiliをひっぱり出して育てて、描き方によっては目覚めと快楽と嫉妬を巡るどたばた三角関係ラブコメになったっておかしくないような題材なんだから、それを苦痛と乗り越えと回帰の物語に仕上げるには結構がんばらないとさあ ー。

パーティでLiliに一目惚れしたBen Whishawが彼女を追っかけてお構いなしにぐいぐい迫るとことか、あんたいいかげんにしなさいよ(怒)、てGerdaがぶちきれるとこで犬のTeddy(かわいい)がどうしちゃったんだろこのひと、て見あげる - そのときLiliもおなじ顔してる - とことか、おもしろいところはいっぱいあるので、その線で行けばよかったのに。 原作もあるし実話だから難しいのだろうけど。

Eddie RedmayneさんはStephen Hawking博士に続いてお見事で、”Jupiter Ascending”のあれはなんだったんじゃろ? がすこしだけ ...

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