6.15.2015

[film] Before I Go to Sleep (2014)

7日、日曜日の午後、新宿で見ました。 邦題は「リピーテッド」(...?)

Christine (Nicole Kidman)が朝起きて困惑顔でバスルームに行くと、夫のBen (Colin Firth)との結婚式の写真とかがいっぱい貼ってあって、二人はずっと一緒にいる夫婦らしい(だから彼が横に寝ていてもだいじょうぶ、たぶん)ということを知るのだが、どうしてそういうことになっているのかというと、彼女は毎朝寝る前の記憶を一切失った状態で目覚めるからだという。

Benが会社に出かけると今度は精神科医だという男 (Mark Strong)から電話が入り、クローゼットの奥に隠してあるカメラのことを言われ、彼女はそれで自分用の覚え書きを毎日記録しているのだと伝えられる。
こうして彼女は自身についての情報を外と内(昨日までの自分が撮った自分の記録)から組み合わせて構成しなおして自分の置かれている境遇を理解するのだが、彼女がいちばん知りたいのは自分はなんでこんなふうになってしまったのか、それを知る手がかりはなにかどこかにあるのかないのか、ていうことなの。 なんかよくない予感もあるし。

いろいろ調べていくと過去の自分がいろいろ問題を抱えていたらしいとか、子供がいたらしいとか、あれこれわかってきて、なんで教えてくれないのよ、とBenに抗議すると、苦悩の顔で君を混乱させたくなかったからだ、と言われて、それもそうかも、とか。

自分を自分たらしめているのは自分が自分の中に持っている記憶とかイメージ、というよりも他者が自分について持っているそれ(とその連続性)なのだ、というのをこないだ機内で見た”Still Alice”でも思ったのだったが、では、その他者が自分について語っている記憶を信用できなくなったらどうなるか。 その先にはだれも、なんにも信じられなくなる地獄が。

でもなんだよね、そこにきてそれでも人を信じようと思うかこいつなんか怪しいって思うかでそのひとの本性みたいのが出るのよね、きっと。

あの、パーフェクトとしか言いようのないラブコメ”50 First Dates” (2004)のラスト、Adam Sandlerがもし悪い奴だったら or 突然悪い奴に変貌してしまったら… (完全犯罪だって… )てひねくれモノが抱いてしまったよくない疑念から入って、俳優さん達はどれも悪役も善人も両方どっちでもやれる暗さと巧さがあって、はらはらさせられっぱなしだったの。(途中でなんかわかったけど)

Nicole Kidmanのかっと開いた青い目を初めとしてあれこれおっかないのだが、ラストはしんみり泣かせてくれたりする。 Poohさんが出てくるのにはよわい。

でもなんだよね、眠りと共にシャットダウンするみたいにメモリから記憶が一掃されて翌朝はなんも憶えていない、そういうのたまにあってもいいかも (← なんかが嫌になっているらしい)

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