6.16.2015

[film] トッポ・ジージョのボタン戦争 (1967)

9日の火曜日の晩、シネマヴェーラで見ました。 今かかっている特集『イタリア萬歳Ⅱ』はもちろん見たいのいっぱいなのだが、ここんとこのモードはなんとなくフランスで、でもトッポ・ジージョは見たいかな、くらいで。

この作品、2004年にリバイバル上映、翌2005年にDVD化されているらしいのだが、そんなの知らなかったし(開きなおる)。 動くトッポ・ジージョひさびさに見たかったんだもの。

日伊合作で、イタリア語の題は“Topo Gigio e La Guetta Del Missile”。
監督は市川崑、脚本には永六輔も入り、音楽は中村八大、トッポ・ジージョの声は中村メイコ、ナレーションは小林桂樹、となかなかすごいの。 他の俳優さん(シルエットがかろうじてわかるくらい)は日本のひとで、台詞がたまにイタリア語ぽくなったりする。

最初は一人暮らしをしているトッポ・ジージョの寝起きとかノミさんとの交流とかでほのぼのして、その次のがボタン戦争で、赤い風船と出会ったトッポ・ジージョが銀行の金庫のなかにある「ボタン」- 世界をぶっこわすことができるあれね - の強奪を阻止しようとするの。 でもそこに大義名分はあんま感じられなくて、ノミがちょっかい出すみたいな妨害工作をちょこちょこかっわいく一生懸命やりまくるのがたまんない。  悪い奴らは黒くて暗くて誰がだれだかわかんなくて、トッポ・ジージョの電話を受けて慌ててやってきた連中も隊列組んでてやなかんじで、どっちにしても気にくわないんだよ。 ていうネズミの倫理で、そいつにニンゲンはどれだけ銃とかぶっぱなしてもかなわないでやんの。

赤い風船くんと出会ったところでああなるのはわかっていたけど、でもどっちにしてもよかったねえ、なの。 戦ったあとの汚れたままで終るかと思ったらそうじゃなくてちゃんと洗ってきれいになるし。

あと、あの頃のライオン子供歯磨きのいちご味、なんて久々にみた。(いまも売ってるのね)


ボタンを押すのは誰かとか守るのは誰かとかくだんない議論ばっかりしている今の世の中には、寝ぼけまなこのトッポ・ジージョがほんとうに必要だと思う。
戦争はそんなものじゃない? その言葉そっくりそのままお返ししますわ。

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