2.25.2015

[music] Sharon Van Etten

金曜晩のSt. Vincentにふられて、週末のHostessにもふられて、Dot Hackerも売切れで、ちゃんと準備しなかった自分がわるいとはいえ、とにかくライブ欲が体の奥で溢れかえっていた23日月曜日の晩、21:30の回に見て、聴いた。

ビルボード東京なんてとこは初めてで、レイアウトも値段もよくわかんなかったし、立っていても寝てしまいそうなくらいへろへろだった(ならイス席ならよけい…)ので、バルコニーていうのにしてみた。
あとで勘定みてびっくらした。だってこないだMercury Loungeでみたときなんて$16くらいだったのにさ。 あそこからいきなりこんな小屋に来たらびっくりだよね、そりゃ。

前回みたMercury Loungeのライブは“Tramp”の発売前、先行7inchの"Serpents" - The NationalのDessner兄弟が参加していてよすぎて震えた - が出たか出ないかくらいで、たしか”Tramp”の全曲をやったやつだった。 この時点で彼女はじゅうぶんあの界隈(ま、Other Musicとかあの辺ね)では騒がれていて貫禄で、ああすばらしい、だったのだが、このひとは昨年の”Are We There”で更にその上をいってしまったの。 メジャー感とか一切関係ないところで。

バックは4人のバンド編成で、SVEはアコギとかオムニコードとか電気ギターとか、性急になったり荒れ狂ったり轟音に震えたり、ていうダイナミックなうねりやドラマはなくて、エレクトリックフォークの静謐さがあるのだが、聴くべきなのはやはりその声なの。

滑らかで冷たくて温かくて、ほんとうにそこに存在する声、吐息の生々しさがあって、でもそこに痛々しさや苦しみはない、絶対零度の声。 ばかなことだ、と思いながらもいつも誰に似た声だろう、て探して、結局諦める。 Hope Sandoval, Margo Timmins, Beth Gibbons, といった所謂Femme fatale系とはちがって、こちらを惑わせたり震わせたり、或いは拒絶したりするような声ではなくて、抱きしめたくなるような弱さ儚さ孤絶感を湛えているわけでもなくて、ただそこでひとりで歌っていて、いいなー、ておもうの。 ただ声と歌の強さとその鳴りのみがある。

酔っ払い女がわーわー言ってもぜんぜん動じない、ギターを鳴らして歌う、そこのみに集中した強さ。 後半に演奏した新曲の新曲とは思えない馴染んでくるかんじもすばらしかった。

次はもうちょっと居心地のよい場所でね。
26日はお誕生日だそう。 おめでとうございます。

あんま関係ないけど、Juliana Hatfield Threeを久々に聴きたいなあ、とか。

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