2.20.2013

[film] Det hemmelighedsfulde X (1914)

渡英前に見ていたやつを少しづつあげていきます。

これも恵比寿映像祭と同様、熱狂的に通うというよりは1本くらい見ておこ、程度のノリで毎年見にいくノーザンライツ・フェスティバル。 10日の日曜日に見ました。 
昨年の『魔女』もそうだったけど、このフェスに期待しているのは新作よりは圧倒的に昔のやつで(ほんとに面白い新作だったらそのうち見れる.. はず)、なのに今回、バーグマンの2本が平日昼間しかやらないのはとっても残念だった。

『密書』(英題: Sealed Orders)は、デンマークのサイレントで、柳下美恵さんの伴奏つきで、Benjamin Christensenが製作・監督・脚本・編集・主演をやっているのだが、後半、あれよあれよと冗談みたいにおもしろくなるのでびっくりした。

子供ふたりと妻と幸せな家庭にある海軍将校がいて、敵方のスパイ、スピネッリ伯爵が将校の奥さんにねちねち言い寄って食いこんで、その流れで戦争開始直後の軍の密書の中身を伯爵に見られてしまう。
伝書鳩経由でその中身が敵方に知られたことがわかってしまった将校は軍法会議にかけられて、彼は情報が妻経由で渡ったことはわかっているものの、断じて言うことなんかできなくて、死刑を宣告されるの。

長男の子はパパの無実を信じて刑務所に潜入していくわ、にっくき伯爵の居所に気づいた妻は戦闘まっただ中の原っぱに部屋着のまま突撃していくわ、怒濤の展開で、ああようやく、というとこで電信柱がぶっ倒れて電線がぷっつんしたときにゃこっちの血管も切れるかと思うくらいのけぞってしまった(ほんと、久々にのけぞったわ)のだが、まあよかった。 いろんな意味で。

針の穴があと3mmずれていたら、お家取り潰し、ぜんぶがおじゃんの焼野原になってしまうところだったねえ。

平和で幸せな家庭の背後にひたひたと忍び寄ってきて突然すべてをなぎ倒し押し潰そうとする戦争のおそろしさを、赤ん坊から将軍まで、伝書鳩から軍艦まで、激しいジェットコースターの高低差で描いておきながら、全体としてはほんわかしているところがすごい。 屋内の照明を含めた陰影の美しさ儚さが、戦闘の前線のごちゃごちゃに直線で結ばれてしまうところも。

ピアノの伴奏はいつも通りすばらしかったが、音のレベルがちょっとでっかすぎたかも。

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RIP  Kevin Ayers...

九段会館での初来日ライブは生涯ベストライブの一本であり続けている。(ギターはOllie Halsall)
彼の歌とギターを聴くといつも、風のように自由であること、束縛されないこと、そうあることの美しさと正しさ、を思う。

ご冥福をお祈りします。

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