11.30.2017

[film] Battle of the Sexes (2017)

25日の晩、PiccadillyのPicturehouse Centralで見ました。
ほんとうはLFFで見ようと思ったのだが、チケットが£35くらいしたので手前で踏みとどまったやつ。

テニス実録モノとしてはこないだの"Borg McEnroe" (2017) - あー見逃しちゃったよう - に続く。
なんでここにきて70年代80年代のテニスものばっかしなのか、よくわかんないのだが。

Billie Jean King (Emma Stone)がトーナメントで何度目かの優勝をしたところで、全米プロテニス協会かなんかのお偉方Jack Kramer (Bill Pullman)に、トーナメントの賞金額は男性の優勝賞金の1/8くらいでいいんだ、だって女子は男子よか身体能力が劣ってるんだもの、てあたりまえのように言われてふざけんじゃねーよ、チケットの売り上げの額は一緒だろうが、て喧嘩になってあったまきてGladys Heldman (Sarah Silverman)と一緒に女性のトーナメントを立ち上げてスポンサーも見つけて女子だけのツアーを始める。

他方、かつて男子の全米チャンピオンだったBobby Riggs(Steve Carell)はとっくに引退しているのだが、ギャンブル癖が抜けなくてうろうろ落ち着きなくて、仲間に冗談でBillie Jean Kingと戦ったらどっちが勝つか、とか言われてなんとなく火がついて喧嘩を吹っかけてみる。

最初はBillie Jeanも相手にしていなかったのだが、彼女を負かしたばかりのMargaret Court (Jessica McNamee)にBobbyは矛先を向けて、結果彼女に勝っちゃったもんだから更に調子に乗ってわーわーはしゃぐのでBillie Jeanはざっけんじゃねえよ、とあったまきて受けて立つことにして、こうして1973年、世紀の一戦 - Battle of the Sexesが勃発した、と。

単純な性差をめぐる男女間のテニス喧嘩、というよりは、当時根強くあった男性優位物差しに対する不満とか怒りとか異議がじわじわと燃え広がっていって、実際の試合でいい加減にしろよこの腐れブタ野郎!て炸裂するまで。 スポーツ界の勝負の話だけではなくて、ツアーを通してBiliie Jeanの恋人になっていく Marilyn(Andrea Riseborough) のこととか、そうなっていっても静かに彼女を見守る夫とか、切ない要素もいろいろあって、だから最後のゲームは思いっきり力拳にぎにぎになってたまんない。

とにかくEmma Stoneの内側でめらめら燃えていく炎と、Steve Carellの天真爛漫バカのスパークとその行方が眩しくてすばらしいのでまずはそれを堪能しよう。 なのだが、映画"Suffragette" (2015)の時にも思った、ほんの少し前 - この映画だとほんの40年数年前 - はこうだったんだなー、というのも結構くらくらする。 今なら男女で身体能力に差が出るところも出ないところもそんなのあって当然、それがなにか? だし、そこでの優劣を問うなんて論外、だと思うのだが、この頃はまだそんなもんだったのね、ていうあたりが。

ただ、あと、日本は... まだまじでそういうこと(男のほうが能力が高いので大変な仕事をいっぱいしていて偉いんだから、云々)を平気で言ったり信じたりしている糞尿じじいがそこらじゅうにいそうなので、要注視だな。 あぶり出して殺虫剤と殺鼠剤をばしゃばしゃかけて地の果てに裸で追いやってしまいたい。

まずは"Suffragette"でやってくれたような邦題とか宣伝をもう一回やらかしてくれるかどうか、だよな - おもしろがってるんじゃないよ、あれ、本気で頭にきて冗談じゃないと思ったんだから。いまだに。 "Suffragette"でのCarey Mulliganの地獄と絶望を、本作でのBillie Jean King = Emma Stoneの怒りを、彼女が最後に大泣きした理由を - 映画の中心にあるそれらを正面から伝えようとしないで、なにが宣伝だよ配給だよ、って。

ラスト、ファッションデザイナー役で出ているAlan CummingがBillie Jeanを抱きしめて言う言葉がほんとうに感動的で、泣きそうになった。Alan Cumming、あんたって…

それにしてもBobby RiggsとSteve Carellって、よく似てるんだねえ。

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